【Jリーグ試合分析】 2022.5.7 横浜F・マリノス vs 名古屋グランパス

アイキャッチ マリノス
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はじめに

マリノスはベトナム集中開催を乗り切り、今節からJリーグに戻ってきての初戦です。
ACLの勢いをそのままJリーグに持ち込みたいところ。
名古屋グランパスとは昨年Jリーグでは、1勝1敗の五分でした。
名古屋グランパスは、今季から新監督として長谷川氏を招へいしています。
長谷川監督は堅守速攻というイメージが強く、マリノスは如何に名古屋の堅守を攻略できるかがポイントです。

スタメン

試合結果

試合の前半はマリノスがテンポの良いパス回しで、名古屋のプレスを回避していきます。
名古屋は5バック気味で守備ベースで試合に臨み、奪ったら素早くマテウス選手に預けるという戦法できました。
前半24分にマテウス選手のCKから中谷選手がヘッドで名古屋が先制します。
このCKに関してはマテウス選手のボールを褒めるべきかなと思います。
対するマリノスは前半35分にエウベル選手がヘッドで同点にして1-1で前半終了。
実は前半はマリノスに致命的な事態が発生していました。
前半で攻守の要である、岩田選手・エウベル選手が負傷してしまいます。
さらにエウベル選手が負傷したタイミングが40分だった事もあり、前半は10人で戦う事をマスカット監督は選択します。
結果的にマスカット監督の判断は英断となり、前半を1-1で耐えます。
ちなみに前半終了時のスタッツはマリノスのシュート数が7本に対し、名古屋は1本です。
スタッツが示す通り、前半はマリノスが優勢でした。
しかし、後半は名古屋がマリノスのビルドアップ対策を講じて、名古屋ペースに。
名古屋は前半開始早々にマテウス選手のクロスが直接マリノスゴールに向かいますが、高丘選手が超スーパーセーブでボールはポストに当たります。
前半50分にはマテウス選手のCKから名古屋がゴールネットを揺らしますが、VARの末にゴールを取り消しになります。このジャッジは賛否両論ありそうです・・・・・
そして、86分にジョエル選手と西村選手のコンビネーションで西村選手がシュート。
ランゲラック選手が一度は防ぎますが、こぼれ球をAロペス選手が押し込みマリノスが逆転に成功。
試合はこのまま2-1でマリノスが勝利しています。

長谷川監督の修正

試合のシュート数を見てみます。
【前半】
マリノス:7本
名古屋:1本
【後半】
マリノス:6本
名古屋:6本

シュート数で比較すると、マリノスは前半優勢に進めていましたが、後半は名古屋が一気にチャンスを作り始めました。
後半に名古屋が復調した要因はマリノスのビルドアップに対するアプローチを前半と後半で変更しあります

前半のマリノスのビルドアップ

前半2分のシーンを代表例として見てみます。
ボールは高丘→小池龍→喜田→Aロペス→岩田→マルコス→エウベルとつながります。
前半の名古屋はマリノスのボランチ2枚へのマークをすごく曖昧にしていました。
上記の例では、喜田選手が名古屋の第一プレッシャーラインの背後を突いています。
このシーン以外でもマリノスのボランチはCB間・CB脇・名古屋の第一プレッシャーラインの背後を上手く利用します。
さらにマリノスのビルドアップはGK・CB・SBの技術でマークを打開します。それに加え、小池龍選手が色々な局面に顔を出し、マークを絞らせません。マルコス選手もライン間にポジションを取り、上手く名古屋のプレスの網を抜けていき、テンポも良くボールはワンタッチが混ざりながら、ビルドアップできていました。その結果は前半1-1でしたが、シュート数が7対1とマリノスが圧倒できた要因の一つです。
つまり、前半は喜田選手・岩田選手は比較的フリーになりがちでした。

後半のマリノスのビルドアップ

長谷川監督は後半からマリノスのビルドアップに対策を施します。
前半フリー気味だったマリノスのボランチを徹底的に監視します。
代表例が65分のシーンです。
小池龍選手がボールを持ちます。
マリノスのボランチの一角のジョエル選手がボールを貰いにおります。
すると、名古屋のCFの酒井選手がジョエル選手にマークに行きます。
あえて、身体の強い酒井選手をマリノスのボランチ二枚への監視役に選んでいます。
この効果もあり、このシーンではジョエル選手のボールがずれてAロペス選手はボールを失います。
簡単に言うと、名古屋はマリノスのボランチ二枚を徹底的に監視する選手を定めました。
名古屋はこうして、後半はマリノスのビルドアップの対策を取りました。

マスカット監督の英断

”ようせいの部屋”の名物である、マスカット監督の采配を見ましょう。
今回もマスカット監督はマジで名将でした。
本当に優秀な監督だと思います。

【想定外、2回目のアクシデント】
この試合では、マリノスは致命的なアクシデントが2回起こります。
前半30分で岩田選手が負傷退場。→ここまでは、想定できる範囲かなと・・・・
そして、攻撃のキーマンのエウベル選手が前半41分に負傷します。
普通の采配であれば、前半41分のエウベル選手が負傷した時点でエウベル選手の代わりを投入します。
しかし、マスカット監督は前半の残り約5分間を10人で戦う事を選択します。
【10人で戦う選択】
なぜマスカット監督は10人で戦う選択をしたのでしょうか。
これは現行のJリーグのルールを考慮しての事です。
Jリーグのルールとして交代は5名以下になります。
しかも、交代のタイミングは決まっていて、ハーフタイムを除き3回までです。
エウベル選手が負傷した時点で交代は既に1回使用しています。
前半のうちにエウベル選手を交代してしまうと、残りの交代のタイミングは1回+ハーフタイムのみになります。マスカット監督はこの采配で2回+ハーフタイムを取るという選択をします。
【決断が英断に】
この結果、マリノスの交代策は以下の通りになりました。
★ハーフタイム:仲川選手
①73分:水沼選手・西村選手(2回目)
②85分:角田選手(3回目)
結果論では、ありますが交代回数を1回残した事で功を奏します
この試合は圧倒的な個を見せていたマテウス選手と対応していた永戸選手はイエローカードを1枚貰っています。そして、攻撃に特徴のある永戸選手はマテウス選手に守備の局面で大苦戦していました。
試合はマリノスが終了間際に1点リードします。
この時点でマリノスは1点を死守したい。
ここで、マスカット監督が前半の残り約5分間を10人で戦う事を選択し交代のタイミングを残した意味が生きます。
リードした試合の終盤でクローザーとして角田選手を投入
角田選手は対人に強く、空中戦に強い、守備に特徴を持った選手です。
(マスカット監督はCB本職の角田選手をLSBとして、使えるようにACLで仕込んでいた)
残り時間を1点差で切り抜けられたのは、この英断の影響が大きいです。
この采配はなかなかできるもんじゃないと思います。
非常に頭脳的かつ効率的で勇気のある決断でした。
選手達を信じる信念の強さと、それに応えた選手はさらに固い絆ができたと思います。

まとめ

この試合はACLの疲労の影響が大きく出てしまいました。
勝った事は大きいですが、岩田選手・エウベル選手と貴重な戦力を失ってしまいました
岩田選手は複数ポジションができるマルチな才能があり、戦術の幅を広げてくれる存在です。
エウベル選手は攻撃のキーマンで彼がいるといないでは攻撃力が全然違ってしまいます。
しかし、二人がどれだけ離脱するか現時点で不明ですが、他の選手達の躍動のチャンスです。
どの選手が救世主になるのか期待したいです。

この試合では、マリノスの成長を感じました。
以前のマリノスとは比べ物にならないくらいの勝負強さと粘りがあります。
優勝するチームは接戦をことごとく物にしていきます。
まさに、今節の接戦の様な試合ですね
マリノスはACLも予選突破し、波に乗っていきそうです
次節も楽しみだぜ
またね(*゚▽゚)ノ

DAZN


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