【Jリーグ試合分析】 2022.5.14神奈川ダービー  湘南ベルマーレ vs 横浜F・マリノス

アイキャッチ マリノス
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はじめに

今節は同じ神奈川を本拠地とするダービーマッチです。
マリノスは首位の鹿島に勝ち点4差です。
しかし、試合数が鹿島よりも1試合少なく良い順位に付けています。
一方、湘南は12試合終えて1勝で17位です。
マリノスとしては、この試合からアウェイ3連戦が始まるので、きっちりと勝ち点を上積みしたい所です。

スタメン

マリノス視点での戦前のポイント

【湘南の攻撃】
湘南は3試合勝利無しの状況です。
そして、湘南は深刻な得点力不足に悩んでいます。
12試合6得点で1試合平均0.5点となっていて、未だに1試合での複数得点はありません。
つまり、マリノスは1点でも取ってしまえば、湘南は逆転する攻撃力は無いことになります。
この試合はマリノスが先制点を取った段階で、ほぼ試合の行方は決まります。
【湘南の守備】
マリノスは3バックの相手に苦戦していることが多いです。
マリノスが湘南に勝ち点を落とすとすれば、湘南の守備ブロックが機能した時になると考えられます。
Jリーグでマリノスは11試合で2度負けています。
その負けた相手は広島と柏です。
その中でも今節参考になるのは広島戦です。
マリノスのシステムとチームスタイルは、3バックに対して今の所相性が悪いです。
ちなみに、ACLでも3バックを用いたホアンアイン・ザライにも苦戦しています。
広島は、3バックを採用しマリノスのCBにまでハイプレスをかけて、ピッチのあらゆる局面でマンツーマンDFを仕掛けてマリノスのビルドアップを封殺しています。
湘南は、スタメンから3バックを使用していることも類似点があります。
湘南は、戦い方次第でマリノスを苦しめることがあるかもしれません。
湘南がどのようにマリノス対策をしてくるのか、注目です。

試合結果

試合は序盤から湘南が素早いプレスで、ペースを握り決定的チャンスを複数作ります。
マリノスは高丘選手が奮闘し、得点を許しません。
しかし、マリノスに突如転機が訪れます。
13分、水沼選手が相手陣内深くでボールを引っかけます。Aロペス選手がボールを拾って粘り、ボールは再び水沼選手にこぼれ、そのボールを冷静に流し込みマリノスが先制します。
そこから、マリノスは湘南の選手に対して個のクオリティで上回ります。
湘南はプレスで何度か好機を作りますが、マリノスの選手が個のクオリティで打開するという展開です。19分にマリノスが素晴らしい崩しから小池選手が追加点。
後半も湘南はプレスで何度か好機を作ります。しかし、高丘選手を中心として、マリノスは失点を免れます。すると、58分に得点を目指し、前掛かりになった湘南から角田選手がボールを奪い、マルコス選手に渡ると素早いカウンターが始まり、最後はAロペス選手が追加点。
試合は終盤に湘南に1点返されますが、試合終了間際にレオセアラ選手が今シーズンのリーグ戦初ゴールをマークし試合終了。
試合はマリノスが湘南に対して、選手のクオリティの差を見せつけて4-1となりました。
この試合はスコアこそ大差がつきましたが、両チームの思惑がわかりやすくコントラストされ見どころのある試合でした。

マリノスのビルドアップvs 湘南のプレス

この試合は結果こそ4-1と点差が離れましたが、湘南も良いサッカーをしていました。
シュート数で比較すると、湘南21本・マリノス13本という結果になっています。
湘南は得点こそ1点止まりでしたが、マリノスよりもたくさんのシュートを打ったことになります。
湘南の決定機の多くは、自分達からビルドアップして攻撃を構築する形ではなく、マリノスのビルドアップを破壊してのショートカウンターでした。
湘南のプレスの狙いとマリノスの修正を見てみましょう

ボランチを檻に閉じ込める湘南

前半5分のマリノスの自陣でのビルドアップです

湘南はマリノスのCBやGKに対して、積極的にプレスを掛けませんでした。
湘南の狙いは、マリノスのビルドアップに参加しようと下りてくるボランチです。
ここをボールの取り所に設定していたように見えます。
湘南は、マリノスのCBとGKがボランチに入れるパスコースを2トップが、ゲートを作るように立ってコースを切りながら詰めます。
そして、後ろの中盤3枚も連動してマリノスのボランチを囲みます。
マリノスのボランチにボールが入った時に囲いこんで、次のアクションを妨害できるようにしています。このブロックにマリノスは苦戦します。攻撃のスイッチを入れるボランチが檻に入れられたように囲まれ、360度全方向からプレスを感じ効果的に配球ができませんでした。
前半序盤から湘南がチャンスを作っていた原因はこのマリノス対策にありました。
しかし、湘南のこのブロックには大きなリスクがあります。
それはライン間にポジションを取るマルコス選手がフリーになることです。
湘南はライン間にボールを入れさせない前提で、プレスを掛けていました。

起点を変えるマリノス


前半28分のマリノスのビルドアップ。

湘南がボランチをボールの取り所にしているため、マリノスはボランチを囮に使います
今までは多くの場合にビルドアップの起点をボランチにしていましたが、ビルドアップの起点をサイド深くに陣取ったSBも含め始めます
マリノスは、ビルドアップ時にSBの立ち位置を微妙に低くします。
SBの立ち位置を低くすることで、湘南のインサイドハーフ(タリク選手・茨田選手)・ウィングバック(石原選手・畑選手)との距離が遠くなります。
つまり、湘南がプレスに行くまで時間がかかるので、マリノスのSBには時間的余裕が生まれます。
そして、時間的余裕を持ったSBはライン間のマルコス選手に良い形でパスを入れることができました。
この後、マルコス選手が上手くサイドに展開しマリノスはチャンスを得ています。
前述した通り、湘南はこのライン間にボールを入れさせない前提で、プレスを掛けているためマルコス選手にボールが渡った時点で湘南のプレスは無効化されます。
ちなみに、マリノスはこの形と同じようにSBを起点にして、19分に追加点を挙げています。

最後に

マリノスとしては、順当に勝利を掴むことができました。
この試合からアウェイ3連戦が始まりましたので、波に乗れる良いきっかけになったと思います。
最近のマリノスは試合展開が悪くても、粘って試合を物にできる強者の風格が出て来たなと感じます。
そして、レオセアラ選手が今季リーグ戦初得点を上げました。
ストライカーは1点取ってからが勝負ですよね
収穫の多い試合になった神奈川ダービーでした。
またね٩(ˊᗜˋ*)و

DAZN



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