前節まで公式戦４試合勝ち無しのマリノス。
優勝争いに向けて、いよいよ追い込まれた。
今節の対戦相手は、３位・鹿島アントラーズ。
鹿島は、直近の4試合負けなしの絶好調です。
柴崎選手が欧州から復帰し、チームは逆転優勝に向けて良い流れです。
マリノスとしては、３位との直接対決。
アウェイの地であっても、負けることが許されない状況です。
スタメン
試合展開
試合は開始から完全に鹿島ペースでした。
マリノスのビルドアップを整備された守備でカウンターに繋げていきます。
すると、前半15分。
鹿島のCK。
ファーサイドで待ち構えていた鈴木選手が頭で決めて先制します。
エースが決めて勢いに乗る鹿島。
その後も鹿島がペースを握り、マリノスは攻め切れません。
しかし、数少ないチャンスをマリノスが生かします。
前半34分、ショートCKからヤンマテウス選手が高精度のクロスを披露。
ロペス選手がしっかりと押し込み、貴重な同点ゴール。
前半は、1-1で終了。
後半は試合展開が一変。
開始からマリノスがペースを握ります。
後半50分、左サイドで山根選手が起点となりヤンマテウス選手がシュート。
一度はGKに防がれますが、ロペス選手がきっちりと押し込み逆転。
その後も、最近の低迷がウソのように攻撃が蘇るマリノス。
ナムテヒ選手、宮市選手に決定的なチャンスが到来。
ゴールこそ決められませんでしたが、試合は2-1で終了。
マリノスが公式戦４試合ぶりの勝利を手にしました。
戦術的ポイント：鹿島を無力化した立ち位置
ここからは、試合の戦術的ポイントを考察します。
この試合は、開始から鹿島ペースでした。
鹿島がマリノスのビルドアップを完全に封殺し、ショートカウンターを効果的に繰り出します。
前半は1-1で同点でしたが、鹿島が大量リードする展開も充分あり得ました。
しかし、後半は打って変わってマリノスのペースに試合展開が変わりました。
その要因を考察します。
鹿島の守備：王道マリノス対策
鹿島の守備は、マリノスがここ数試合苦しんだ形を再現しています。
鹿島の守備時のシステムは、4-4-2です。
2トップ(鈴木選手・垣田選手)はGK・CBへプレスに行かず、ボランチ2枚を背中で消します。
トップ下(ナムテヒ選手)には、佐野選手が監視。
マリノスCBからのビルドアップをSBもしくは前線へのロングボールへ誘導します。
この守備方法が機能し、マリノスはほぼビルドアップが機能しませんでした。
マリノスの修正：2トップの間に立つボランチ
後半開始から試合の展開はガラリと変わります。
前半は完全に機能していた鹿島の守備が瓦解。
マリノスが決定的チャンスを何度も創出します。
鹿島の守備システムは、4-4-2です。
4-4-2は、ピッチにバランス良く人を配置できるメリットがあります。
ゾーンディフェンスに最適なシステムです。
4-4-2の攻略方法は主に2つ。
- ２トップ脇
- 各ポジションの間
→4-4-2はゾーンディフェンスに適しています。一方で各ポジションの間でボールを受けられると誰がマークに行くべきか迷いが生じます。
マリノスは、後半から鹿島の第一プレッシャーを混乱させることで4-4-2を攻略します。
鹿島の２トップは、マリノスのボランチを背中で消します。
マリノスCBからのパスをSBもしくは前線へのロングボールに誘導します。
その守備ブロックに対して、マリノスは後半開始からボランチの立ち位置を修正します。
CBからのビルドアップ時、ボランチ１枚が鹿島の2トップの間にタイミング良く顔を出します。
鹿島の２トップは、自身の間に表れたボランチに釣られ距離感が近くなります。
鹿島の２トップのゲートを狭め、２トップ脇のスペースを広げることに成功します。
その結果、大きく空いた２トップ脇のスペースがパスコースになり、鹿島のブロックが機能しなくなります。
鹿島は第一プレッシャーが破壊され、２トップ以降の各ポジションにズレが生じます。
つまり、4-4-2の攻略方法であるポジションの間がガラ空きになります。
最後に：アウェイで鹿島撃破は自信になる。
久しぶりの勝利。
マリノスとしても大きな勝利です。
しかし、課題もあります。
ロペス選手が下がった後、誰が点を取るのか？
チャンス数から言って、得失点を考えるともう一点は取って欲しかった。
ここからは、勝利も重要だけど得失点も優勝に向けて大きなポイントになる。
ジョーカー的な選手の出現がマリノス優勝には必須。
個人的には植中選手・井上選手に期待したい。
次節は、天王山で今シーズン一番重要なゲームになります。
内容よりも結果！！！
頑張れマリノス！！！
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