【Jリーグ試合分析】2022.8.7 川崎フロンターレ vs 横浜F・マリノス 

アイキャッチ マリノス
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今節は、ライバルである川崎フロンターレとの試合。

勝てば、非常に大きな1勝。
負ければ、川崎に追い上げムードを作られてしまう。

マリノスは、ACL・ルヴァンと勝ち残っていてるため、過密日程が続きます。
何としても、川崎から勝点を削ぎたいところ。

スタメン

両チームスタメン

試合展開

試合は開始から両者チャンスを掴みます。
両者ともに、優勝を争うチーム同士ということもあり重い試合展開です。
川崎は、よくマリノスを研究してきた印象です。
マリノスは、いつも通りハイラインハイプレスで素早く攻撃に転じます。
対する川崎は、スペースを管理して手数掛けずにロングボールでダミアン選手に当ててゲームをコントロールします。
ダミアン選手は、終始マリノスのDFに競り勝ちます。そして、試合のペースはフロンターレに傾きます。
前半25分、山根選手が見事なクロスをあげ、最後はダミアン選手が飛び込み川崎先制。
その後、マリノスに大きな痛手が発生。西村選手がダミアン選手と接触し負傷交代してしまいます。
前半ロスタイム、エウベル選手が個人で打開しカウンター発動。最後は仲川選手が冷静に流し込み、マリノスが同点に追いつきます。
後半も、マリノスと川崎は攻め合います。
しかし、主審が負傷というアクシデント発生を機に試合はフロンターレペースになります。
マリノスは、何度もミスを重ねます。
そして後半ロスタイム。
川崎は執念のゴールを挙げ、1-2で試合終了。

川崎の作戦:愚直なマリノスは格好の的

この試合は、川崎がマリノス対策を上手く施してきました。
マリノスは、弱点を突かれた格好になります。
川崎が施した作戦を観てみましょう。

裏の裏をかく川崎

マリノスの弱点:必ず空くSB・・・囮

マリノスのシステムは中盤三角形の4-3-3です。
中盤三角形の4-3-3は、システム上の弱点としてビルドアップされる場合にSBが空いてしまいます。

4-3-3システム上の弱点

川崎のCBがビルドアップを開始すると仮定します。
マリノスは1トップのため第一プレッシャーが1対2の数的不利となります。
この数的不利を埋めるため、空いているCB側のWGがプレスに出ます。
すると、ボールサイド側のSBの選手が空きます
マリノスはハイラインハイプレスを掛けるため、空いたSBに対面するSBがプレスに出ていかなければなりません。
距離が長い分、相手SBに時間的余裕が生まれます。
これが、中盤三角形の4-3-3の弱点です。

川崎の罠:虚を突かれるマリノス

上述した通り、マリノスのハイラインハイプレスを無効化するにはビルドアップ時に空くSBを活用するのが有効手段です。
しかし、川崎はあえて空いているSBを使いませんでした。

裏をかく川崎

川崎は終始、システム上の欠陥を修復しようとするマリノスの選手を逆手に取っています。
システム上浮くSBにマリノスのSBがプレスに行くのを見定めて、CB谷口選手からダミアン選手にロングボールを預けます。これにより、マリノス全体のプレスが空回りして裏を返される状況になります。
マリノスのCBがダミアン選手に勝てれば問題無いのですが、ほとんどダミアン選手が制空権を握りました。
マリノスは、この形で何度もプレスが空転し、運動量だけ増えてしまいます。
試合途中でマリノスの集中力が途切れてしまった一つの要因です。

川崎のシステム上の弱点は?

中盤逆三角形4-3-3の弱点

川崎のシステムは中盤逆三角形の4-3-3。
システム上の弱点は、アンカーの両脇のスペースが空くこと。
当然、マリノスは戦前の予想からアンカー脇を使いたかった。
マリノスのトップ下の西村選手・マルコス選手もそこを意識していた。

川崎のブロック:アンカー脇を囮にマリノスの弱点をつく

アンカー脇のスペースを管理

マリノスのビルドアップ時です。
マリノスのビルドアップは、下から繋ぎます。
当然、セオリー通りシミッチ選手の脇を常に狙います。
マリノスの攻撃は、ボールサイド側に偏ります。
CBの第一選択として、ボランチ・トップ下にボールを差し込みます。
しかし、川崎はハイプレスを掛けずスペースを消します。
ボールサイド側のCHとWGが中央に絞り、アンカー脇のスペースのパスコースを消しながら内側に絞った対応を行います。
これにより、マリノスの起点となる攻撃のビルドアップは自由に繋がりません。
スピードある攻撃も封殺され、アタッキングフットボールが機能しませんでした。

なぜ?川崎のブロックは機能した?????

マリノスのビルドアップ

実は、マリノスはビルドアップに大きな弱点があります。
それは、ビルドアップ時にCBの選択肢が極端に少ないことです。
なぜか???
それは、各々の選手のポジション取りです。
マリノスはビルドアップ時、両SBが高い位置を取ります。
SBは内側に入ったりはしますが、基本下がりません。
マリノスはCB2枚とGKで数的優位を作りますが、これが中途半端です。
両CBは、パスコースを空ける動きをあまりしません。
さらに、下りてくるボランチも中途半端な位置取りで、相手にプレスを正面から受けてしまいます。
今回の川崎戦・アウェイの広島戦・柏戦と負けた試合は、この問題が浮き彫りになりました。

本来は、ビルドアップ時にCBとボランチが選択肢をお互いに補完し合います。
しかし、マリノスのビルドアップは、補完し合う動きが中途半端です。
以下の図は、他チームのビルドアップの例です。

理想の動き
ビルドアップ時に欲しい動き
  • CBがPAの枠まで広がりパスコースを作る。
  • ボランチがCBの間や脇に下りる動きで数的優位を作る。


このような動きをマリノスは行わないため、川崎のブロックにハマり続けてしまいます。
このビルドアップ時の問題は、シーズンを通してずっと改善されていません。
川崎のブロックは、マリノスのビルドアップの弱点を突いた戦術でした。

最後に:連敗しないことが重要

負け方としては、最悪です。
あってはならない負け方。
しかし、悲観すべきでもありません。
川崎は試合数が2試合少ないです。
仮に連勝しても、勝ち点差2ポイントのリードがマリノスにはあります。
次の試合からまた仕切り直せば良い!!!
選手達を信じています。

しかし、現実に目を向ける必要もあります。
2022シーズン 横浜F・マリノス【Jリーグ前半戦総括】でも取り上げた通りCBに不安が残ります。
選手編成上でみて、今回の川崎にあってマリノスに無かったものはCBの安定感です。
正確なフィードと安定感の谷口選手・圧倒的だったジェジエウ選手。
チアゴロスは、しばらく続きそう・・・

次の試合こそ勝つぞ~~~
またね٩(ˊᗜˋ*)و

今シーズンは、優勝争いも残留争いも混戦です。
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