【Jリーグ試合分析】 2022.4.2 横浜F・マリノス vs FC東京

アイキャッチ マリノス
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初めに

マリノスとしてはクラブ創設30周年記念の試合(*゚▽゚)ノ
そして、マリノスは札幌・鳥栖戦と引き分けだったため、久しぶりの勝利を狙いたい
FC東京との試合は現在3連勝中と相性が結構良い相手。
しかし、対するFC東京は今シーズンから監督が変更になり、3連勝中と波に乗っているチームなだけに好ゲームが期待されます。

マリノスのスタメン

【注目】
①角田選手vsディエゴ選手
CBの角田選手がリーグ随一のCFディエゴ・オリヴェイラ選手というパワー・スピードを高水準に持ったストライカーにどれほど、通用するのか
②マルコス選手不在
攻撃の要であるマルコス選手不在。マルコス選手はいるかいないかでマリノスは別チームになってしまう程、影響があります。しかし、神戸戦でトップ下に入って2ゴールをあげた西村選手が再び同ポジションに入ります。ここで結果を残せばマルコス依存という問題に光が差す事になる。
③LWG本職不在
マリノスは今シーズンこれまでLWGに苦労している印象があります。本職不在が続きます。中断期間を経て、どうなるのか注目です。

FC東京のスタメン

【注目】
松木選手。高卒ながらセンセーショナルな活躍を見せています。”ようせい”も松木選手のプレーを本格的に観るのは初めてです。

試合結果

前半はマリノスがポゼッションし、FC東京がハメてカウンターという構図が観られました。
総じてFC東京のペースで狙った形でマリノスのポゼッションを破壊し、得点も決めています。
しかし、前半開始早々の西村選手の日本人離れした打点の高いヘッドで先制しています。
前半は1-1
後半はマリノスが開始早々、途中出場の水沼選手が持ち味の正確なクロスを送り、Aロペス選手がゴールしリードします。
後半はマスカット監督の的確な采配で試合の流れを変えていきます。
そして、後半73分に途中出場の仲川選手を松木選手が後ろからタックル。この日、2枚目のイエローカードで松木選手が退場でFC東京は万事休す。
ここからはマリノスが優勢で試合を進め、見事にクラブ創設30周年記念を飾りました。
ざっとこんな感じの試合。
試合はマリノスが制しましたが、FC東京もマリノス対策を講じ、前半はマリノスの攻撃を封殺しました。それでは試合のポイントを詳しく分析したいと思います。

マリノスのビルドアップを破壊するFC東京

この試合のFC東京はマリノスをよく研究してきたと思いました。
前半にもしFC東京がリードを奪っていたら試合はわかりませんでした。
マリノスはそれぐらい前半に関しては苦労しました。

※FC東京の選手はマリノスの選手と区別するために黒にしています。
【マリノスのビルドアップ】
上記の図は一例です。
マリノスのビルドアップからの攻撃では多くの場合に上記メカニズムで始まります。
まず、CBかGKがボールを持つとお互いに左右に広がり距離を開けます。
そして、CBとCBの間に中盤の底に配置された2枚(喜田選手・渡辺選手)の内の1枚が下りてきます。
図は渡辺選手です。
そして、CBからこの下りて来た渡辺選手・喜田選手にボールを渡し、マリノスの攻撃が始まります。
両SBは左右に広がるか、偽SBの動きで内に入る2パターンがあります。
ちなみに、マリノスが偽SBの動きをする時はWGがサイドに張って相手を押し込みます。
マリノスのビルドアップの目的はサイドに張ったWGにボールを集める事です。
そして、そこからサイドを攻略しゴールを狙います。
【FC東京の対策】
FC東京はマリノスのCBにボールが渡る時のプレスの掛け方に特徴がありました。
普通は相手CBがボールを持つとCFがプレスに行きます。
しかし、FC東京はマリノスのCBにあえてWG(紺野選手・アダイウトン選手)がプレスに行きます。
そして、マリノスのCBとCBの間に下りて来た中盤の1枚にディエゴ選手もしくはCHの松木選手・安部選手のどちらかがプレスにいきます。
マリノスのCBとしてはWGがプレスに来る方がCFが来る時よりも時間的余裕が生まれ、渡辺選手・喜田選手にマリノスのビルドアップのセオリー通りパスを出したくなります。
時間的余裕が生まれなければGKに戻したり攻撃を冷静にやり直し、プレスを逃げる選択を取ると考えられます。
この特徴的なWGプレスでマリノスはいつも以上にCBから喜田選手・渡辺選手にパスを誘発させられていました。
そして、喜田選手・渡辺選手に身体的優位のあるディエゴ選手・身体の強い松木選手・安部選手がボールを奪う事を狙っています。
万が一、喜田選手・渡辺選手に前を向かれても密集した中盤によってお互いをカバーしあい、中央を堅くし、サイドでは対人に強い長友選手・トレヴィザン選手がいるという設計がされていました。
このFC東京の対策はマリノスを苦しめ、同点ゴールを生みます。
マリノスはこの形で攻めあぐねてはカウンターされ、前半は西村選手のゴール以外に決定機はありませんでした。

前半が勝敗のカギを握った

FC東京の誤算はリードを奪えなかった前半かなと思います。
それほど前半から飛ばしプレスを掛けました。
ここからは予想ですが、FC東京にしてみれば恐らくマリノスはビルドアップを怖がり、Aロペス選手にロングボールを安易に蹴りリズムを崩すと思っていたはず。
しかし、マリノスは崩れなかった。
対するFC東京は、このやり方で身体・メンタルともに消耗していった。
単純に相手に合わせたプレスにより、走行距離や守備時間がかなり長くなってしまいます。
前半終了時のポゼッションではマリノスが69%に対しFC東京は31%となっています。
サッカーは守備側に回った方が消耗が激しいとよく言われます。
そして、後半開始早々にマリノスがリードを奪います。
そうなると、FC東京はさらにプレスを激しく行き、攻撃に出なければいけないため、前半からの好循環が悪循環へと展開が変わり、松木選手が結果的には退場し万事休す。
プレスのキーを握っていたディエゴ選手・松木選手・安部選手はかなり消耗しました
ディエゴ選手は本来の仕事である攻撃の局面でガソリン切れ・松木選手は退場となったのも影響があったと言えると思います。

マスカット監督の采配

マスカット監督は前任者がポステコグルー氏であることも影響し、そこまでフォーカスされていませんが、非常に優秀な監督です。
選手の起用や試合中の修正に留まらず、次の日程までも考えた采配を行います。
ちなみにマリノスはここからACLにも参加してベトナム遠征などで8連戦が待っています。
この試合だけでなく先をも冷静に見る必要があるのです。

では、実際にこの試合での采配を見てみます。
これは個人的予想になるので、真偽は不明

①宮市選手→水沼選手
結果的に勝ち越しゴールに繋がる采配となります。
宮市選手は日本サッカーを知っている人なら周知の事実ですが、これまでケガに悩まされてきました。
前半の出来は悪くなく、過密日程に備えての交代もあったと思います。
しかし、水沼選手が入った事でアーリークロスが増えました。
FC東京の最終ラインとGKの間が空いていた事とFC東京は中央を密集させていたので、アーリークロスを入れて中盤を間延びさせる狙いがあったのかもしれません。

②Aロペス選手・渡辺選手→レオセアラ選手・ジョエル選手
この交代は約60分に行われています。
恐らく、Aロペス選手→レオセアラ選手は予め予定されたものだったかなと思います。
8連戦ですから・・・・
渡辺選手をジョエル選手に変えた理由は守備と上記したFC東京のプレスにより狙われていたからだと思います。
渡辺選手は身体の強い相手を苦手としている印象もあります。
リードを奪ったので、渡辺選手の良さを出すよりジョエル選手で安定させようとしたと思います。
この交代あたりから、FC東京は消耗の影響で強度が下がっていった印象です。

③エウベル選手→仲川選手
この交代は疲労と守備です。
しかし、松木選手の退場を誘発し、采配的中と言ってもいいですね
仲川選手って結構守備も頑張ってくれます。

④喜田選手→畠中選手
この交代はポステコグルー氏と違う所ですね。
マリノスサポならわかってくれるでしょうw
ポステコグルー監督は迷わず3点目を狙う采配だったと予想できます。
マスカット監督はより勝利にこだわる監督です。
最後のセットプレーを警戒した交代だと思います。
この交代ではCBの岩田選手が1列前に上がります。
岩田選手のマルチな才能が輝きます。こういうマルチな選手は戦術の幅を広げてくれる大切な選手ですね。

こうやってあえて理由をつけていくと、マスカット監督は超頭の切れる監督で選手の事もマネジメントできる優秀な指揮官だと思います。
角田選手・山根選手の台頭もこの人がいなかったら、無かったかもしれません。

まとめ

FC東京は素晴らしいチームでした。特に前半のマリノスは相当苦しみました。
監督交代でよりアグレッシブなチームになり、次戦う時も要注意です。
そして、松木選手。
逸材とは聞いていましたが、良い選手だなと感じました。
利き足や身体の強さは本田圭佑選手に雰囲気が似ていて、これからが楽しみです。

マリノスとしては大きな勝利。
最初の注目であげた点をおさらいしてみます

①角田選手vsディエゴ選手
角田選手がディエゴ選手にほぼ仕事をさせませんでした。
パスミスや危ないロストもありましたが、守備ではディエゴ選手を圧倒し、攻撃でも
精度の高い縦パスがあり、これからさらに期待できそうです。
Jリーグ通して今シーズン最大の発見になるかもしれない
②マルコス選手不在
同じ戦い方とは違います。
しかし、依存を解消できたと言っても良いかなと思います。
ゲームを作るマルコス選手とセカンドストライカーの西村選手という感じ
西村選手がトップ下で出場する時はサイドからのクロスが効果を発揮していきそうです。
③LWG本職不在
この問題は今節でも払拭できませんでした
攻撃は右に偏っています。
去年の前田選手は右からのクロスに飛び込んで合わせるなど、試合に絡んできました。
しかし、左に配置されたエウベル選手・途中出場の仲川選手と試合からほとんど消えていました。

クラブ創設30周年記念試合を勝てた事でホッとしています。
これから8連戦が待ち受けている点とフロンターレとの勝ち点を縮める事に成功し、イエロー・レッドも怪我人も出ず、最高の勝利です( ̄∀ ̄)
しかし、同点ゴール。
”ようせい”はファウルだと思います。
みなさんはどう見えましたか?
今日はこの辺で、最高の週末をありがとう(´∇`)
またね(≧∇≦)

DAZN
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