【Jリーグ試合分析】2022.7.6 横浜F・マリノス vs サンフレッチェ広島

アイキャッチ マリノス
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今節は、絶好調4位サンフレッチェ広島との戦いです。
優勝争いのライバルとしては、絶対に負けられない一戦です。

ちなみに、前回は完敗したゲームでもありました。
まさにリベンジマッチ。
前回のvsサンフレッチェ広島戦はこちらから

スタメン

試合展開

試合は開始直後、マリノスがテンポの良いパスワークで広島を押し込みます。
しかし、次第にペースは広島に傾きます。
マリノスは、広島の素早いチェックにハマりボールロストが続きます。
広島は、奪ってからショートカウンターを繰り出し躍動します。
それでも何とか守備陣が踏ん張るマリノスは、得点を許しません。
すると、前半31分に守備陣の頑張りが報われます。
中盤でエウベル選手に広島が猛プレス。
ボールロストかと思われた瞬間に岩田選手が再びボールを奪い返します。
これが広島の選手と入れ替わる形になり、エウベル選手からサイドに張るフリーの水沼選手にボールが渡ります。
そして、水沼選手の正確なクロスに小池裕選手が飛び込み、マリノスが先制します。
リードした後も広島の素早いプレスは機能しますが、1-0で前半終了。
後半も開始直後から広島の素早いプレスが光ります。
途中出場の藤井選手のサイドの仕掛けと、ポケットに侵入する広島の攻撃にマリノスは苦しみます。
しかし、この日のマリノスは決定機を見逃しません。
レオセアラ選手が畠中選手からの縦パスに対し広島DFをなぎ倒し、入れ替わります。
途中出場の宮市選手にボールが渡り、逆サイドの水沼選手に渡します。
水沼選手が丁寧に落とすと、PA内に侵入した途中出場の小池龍選手がシュート性のクロスを送り、仕上げは西村選手。スコアは2-0。
その後、両者チャンスを生かせずに試合はロスタイム。
ロスタイムに入った直後でした。
DFライン背後に抜けた仲川選手のクロスに宮市選手がとどめの一撃。
試合は、マリノスが3-0で勝利しています。

DAZN

知将マスカット:スカウティング・修正力

この試合は、広島のプレスが良く効いていたと思います。
しかし、マリノスの勝利は必然だったと感じました。
なぜなら、マリノスは意図して得点を重ねて・然るべき修正を施したからです。

広島のプレス:J屈指の強度を誇るプレス

広島は戦前の予想通り、前回対戦時と同じようにマンツーマンディフェンスを仕掛けてきました。

広島のプレスの基本原則は、ボールを保持しているマリノスのCBに1トップのベンカリファ選手がプレス。
もう一方のCBには、ボールサイド側の2シャドウの一角がマークに行きます。
その他のポジションでも、マリノスの選手を前向きのプレスで勢いを持って襲い掛かります。
これが広島のプレスの狙いでした。

広島の攻撃:ポケット侵入

青:マリノス 黒:広島

広島の攻撃は、CB・SBの間のスペース(ポケット)を攻略することに狙いがありました。
まず、広島は攻撃の起点としてサイドの選手にボールを展開します。
そして、後ろから選手がボール保持者を追い越し、ポケットもしくはニアゾーンを攻略します。

代表例は前半17分。


広島は、東選手がサイドでボールを持ちます。
2シャドウの一角である満田選手がポケットに侵入していきます。
このような形が非常に多かったです。
逆サイド・選手・飛び込む選手が違えど、広島の攻撃は意図を持ってポケットに侵入していました。

DAZN

マリノスの得点は必然:広島の弱点と習性をスカウティング

上述した通り、広島のプレスはマンツーマンディフェンスです。
マンツーマンディフェンスの弱点は、マークが剝がれた場合に脆いことにあります。
特に広島のプレスは、果敢にチャレンジしてきます。
広島のプレスの特性として、シチュエーションによってはCBがボールを取りに果敢に飛び出してきます。この特性は、マリノスのWG・CFが中盤に下りてボールを受けに行く際に見られます。
そこをマリノスは、狙っていました。
先制点では塩谷選手・2点目では荒木選手を釣りだしています。
つまり、釣りだしたCBとマリノスの選手が入れ替われば、広島は3バックの一角が剥がれた状態になります。
次に広島は、CBがプレスに行き、入れ替わってしまった場合に残りのCB・WBが内に絞って陣形を下げます。
このシチュエーションになると、マリノスのWGがフリーになります

先制点のシーンが分かりやすいのでみてみます。

マリノス先制点

畠中選手がボールをビルドアップ。
エウベル選手がCBを釣りだします。
広島の塩谷選手がエウベル選手を止めますが、こぼれ球を岩田選手が拾って入れ替わります。
この瞬間から広島の3バックは陣形が崩壊します。

マリノス先制点2

入れ替わった後、CBと西村選手に釣られた東選手が中央に絞ります。
すると、WGの水沼選手がフリーで受けて先制点に繋がるクロスを上げています。

実は、2点目も同じ形から生まれています。
レオセアラ選手が荒木選手を釣りだし、入れ替わり宮市選手がサイドでフリーの水沼選手に展開しています。
1点目と2点目は、同じ形から得点が生まれています。
これは、マリノスが広島のプレスの習性を利用したスカウティング通りの攻撃でした。
つまり、得点は必然だったと言えます。

マスカット監督の修正:ポケットを封鎖

前述した通り、広島の攻撃はサイドを起点とし、ポケットに選手が後ろから侵入します。
これは、後半開始から藤井選手が投入され顕著になっていきます。
藤井選手が投入されたことにより、マリノスのSB小池裕選手は難しい対応を迫られます。
ポケットの侵入とスピードに乗ったドリブル突破の2つを警戒しなければいけない状況でした。
広島の攻撃は、藤井選手投入でゴールに近づいていました。
しかし、マスカット監督は交代によって広島のサイド攻撃封鎖に成功します。
藤井選手投入後のマスカット監督の交代策を見てみましょう。

広島が後半開始から藤井選手投入。
マスカット監督は以下のように交代策を打ちます。
57分 松原選手→小池龍選手
57分 エウベル選手→宮市選手
交代策には明確な意図がありました。

交代策の意図
  1. 小池龍選手と宮市選手で守備強化
  2. 交代策を機に立ち位置の修正


ここで注目すべきは2です。
マスカット監督は、WGとボランチの立ち位置を修正しポケット侵入を封鎖しました。
マリノスのボランチと途中出場の宮市選手の動きを見ましょう。


広島の選手がサイドでボールを持った時、ポケットへのパスコースにボランチもしくはWGの選手が立ちパスコースを切っています。
これにより、広島のサイド攻撃は威力が半減しました。
広島が追撃できなかった理由は、マスカット監督の修正によるものです。

最後に:リベンジ成功

前回対戦時に完敗した広島相手に見事な勝利を掴みました。
広島はJ最強クラスの強度を誇るチームだっただけに、素晴らしい結果ですね。
個人的に山根選手に驚きを隠せません。
判断スピードとプレーの判断が的確すぎる・・・まるでスペイン代表の超新星ペドリを思わせるプレーぶりでした。
山根選手が本格的に台頭ですかね。
もしかしたら、日本代表の森保監督が視察に来ていたので驚きの選出があるんじゃないかとワクワクします( ̄∀ ̄)
次回は、マリノス”最大の鬼門”C大阪戦です。
気合い入れていきましょう。
またね٩(ˊᗜˋ*)و

今シーズンは、優勝争いも残留争いも混戦です。
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