【ACL試合分析】2022.4.16 ホアンアイン・ザライFC vs 横浜F・マリノス

マリノス
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はじめに

4月16日からACLの予選が始まりました
マリノスの所属するグループは予選6試合がベトナムで集中開催されます。
試合は中3日で行われていくため、過密日程での開催です。
この試合は地元ベトナムのチームとの開幕戦です。
どの大会も開幕戦は非常に難しい試合です。
ACLの大会様式は、各グループ上位1チームと各地区グループ2位のうち上位3チームが予選を突破できます。
つまり、予選から取りこぼしのできない試合が続きます。

スタメン

※マリノスはアウェイのため、見やすく黒で記載します。

【マリノス視点での注目点】
①吉尾選手のトップ下
この試合はベンチにケガから戻ったマルコス選手も控えています。
マルコス選手の不在時にはストライカータイプの西村選手が結果を残しています。
吉尾選手としてはチャンスを掴みたいところ
②レオセアラ選手の1トップ
ここまでレオセアラ選手は不調に陥っています。
今シーズンはまだ無得点。
ACLで心機一転、結果を残せるか注目です。

試合結果

前半からホアンアインが5-3-2で守備を固め、奪ったらマリノスのCB背後にロングボールを蹴り、リスクを掛けずに試合を展開します。
一方、マリノスは永戸選手がフィットしてきて、ポゼッション時には偽SBの動きを見せる事も多くなりました。
試合展開としては、マリノスが攻めあぐねて時計の針が経過します。
しかし、前半19分・前半25分とレオセアラ選手が得点を重ねます。
対するホアンアインは前半31分にCKからオウンゴールで1点を返します。
前半のスコアは2-1でマリノスリードで終了。
後半は前半と変わらない展開で試合が進みます。
そして、64分にマリノスが一気に3人同時交代すると勢いが生まれ、マリノスに
チャンスが増えますが、試合は2-1のまま終了。
マリノスがアウェイで白星発進しました。
それでは、マリノスとホアンアインがどのように試合を進めたのかポイントを見てみましょう

偽SB vs 5バック

シチュエーションとしては、マリノスの畠中選手がボールを持ち、ビルドアップを開始しようとした場面を仮定します。
【マリノス】
マリノスとしては偽SBを使う時の配置は上記の図の通りです。
喜田選手がCBラインに落ちて、永戸選手・松原選手がボランチ付近まで位置を変えます。
ただし、実際は松原選手がCFの位置まで上がったりとイレギュラーは結構ありますが、理想としてはこんな感じを狙っていたと思われます。
永戸選手がチームにフィットしてきて偽SBの位置取りを頻繁に行うようになりました。
【ホアンアイン】
スタメン表記では3バックになっていましたが、多くの時間で17番ヴー・7番H.グエン選手はサイドの自陣深い位置を取り5-3-2の陣形を保っていました
攻撃時は2トップがマリノスCBの背後に走り、ロングボールでカウンターを狙う形が徹底されていました。

マリノスは、後半途中まで総合的にみて上手く行っていませんでした。

ここまで、Jリーグもご覧になっている方も薄々気が付いていると思いますが、マリノスは3バックからの可変で5バックで守備される事を苦手としています。
この5-3-2はマリノス対策として、非常に有効です。
偽SBのポゼッション時の優位性を無効化し、5バックでWGがポケットに侵入するスペースを消す事ができるからです。
さらに、ホアンアインはリスクをほぼ負わずロングボールを割り切って蹴ったため、マリノスのハイプレスは効果を発揮せずに、ショートカウンターをできませんでした。
偽SBはポゼッション時に採用されるイメージがあると思います。
しかし、偽SBは守備時の予防的カバーリングの側面も強く、即時奪回やカウンターされた時の一番危険な中央のスペースを消す事が利点となります。
ロングボールで回避されていたため、偽SBが攻守ともに対策されていたと思います。
この事からホアンアインはマリノスをよく研究していたと思います。

デザインされたFK

2点目に繋がったFK。
一見、永戸選手の高精度キックとレオセアラ選手のヘディング技術が注目されますが、
宮市選手が鍵になっています。
宮市選手は大外にいます。
普通ならオフサイドにならないように永戸選手がキックする瞬間にDFラインに飛び出します。
しかし、宮市選手は永戸選手が助走を開始する前に相手のゴール前に飛び出します。
それにより、DFラインはマークがずれ、レオセアラ選手がヘッドする時間とスペースを確保しました。
宮市選手の完全な陽動の動きです。
これはマリノスが予め用意していた形だと思います。
得点の後の前半42分・44分とほぼ同じ位置のFKがありましたが、宮市選手は全く同じタイミングで陽動を仕掛けます。
3回も同じシチュエーションがあり、全てで宮市選手が陽動の動きをしたという事は・・・・
マリノスは今後のFKで大外の選手が陽動を仕掛けるシーンが増えるかもしれません。
今後のFKは注目ですね。

マルコス選手の位置取り

試合は終盤にマリノスのチャンスが増えます。
水沼選手に3度決定機がありました。
要因としては何だったのでしょうか?
紐解いてみたいと思います。
ホアンアインは交代枠を1枚しか使いません。対するマリノスは後半64分に一気に3人投入します。
交代が試合終盤のマリノスペースになった鍵です。
相手は1枚しか交代しなかった事も守備の強度で影響を与えたましたが、
転機はトップ下のマルコス選手投入だと感じました。

マルコス選手は同じトップ下に配置された、吉尾選手とは異なるポジション取りでマークを翻弄します。

マルコス選手のボールを受けるエリアを赤・吉尾選手が受けるエリアを黒で表示するとこんな感じ。
吉尾選手は基本的には相手の中盤3枚の監視下にポジションを取っていたため、マークをもろに受けてしまいました。(黒いエリア)
相手の中盤の陣形も崩れず、ホアンアインの守備陣は準備して迎え撃つ事が可能でした。
もちろん、赤いエリアで受ける事もありましたが、回数や入り方の工夫が少なく効果的にボールを受けられなかった印象です。
対してマルコス選手は相手5枚のDFラインと中盤3枚の間を効果的にポジションを取ります。(赤いエリア)
受けるときも常に動きながら入ってきたり、動き直しの回数が多く、相手はマルコス選手を捕まえる事ができませんでした。
Jリーグでも良く見られる光景ですね。
そういったマルコス選手の工夫もあり、赤いエリアでボールをマルコス選手が受けると、ホアンアインはマルコス選手に明確なマークが付けず前半からの守備が機能しなくなりました。
マルコス選手が出てきた時間から活性化したのには、このような背景があったのかなと思います。
やはり、マルコス選手はすごいですね

まとめ

【マリノス視点での注目点】はどうだったか振り返りましょう
①吉尾選手のトップ下
この点については、吉尾選手は効果的にプレーはできなかったと思います。
上述した通り、マルコス選手の投入まで攻撃は停滞してしまった印象です。
吉尾選手は確かな技術と左足・献身的な守備もできる選手なので、次節以降にきっと
修正してくれるはずです。
②レオセアラ選手の1トップ
嬉しい2得点です。他にも惜しいチャンスはあり、これから復調してくれそうですね
この試合まで何となく迷いを感じられました。
しかし、ストライカーは1点取ると波に乗れる事が多いので、
チームとしてもレオセアラ選手としても、大きな結果になったと思います。

マリノスのACL初戦は完全アウェイの中での一戦でした。
どんなチームも大会初戦は難しい物だと思います。
マリノスは試合内容も途中まで良くなかったものの、きっちりとセットプレーを物にして勝った事は今後に繋がる良い材料ですね。
マリノスは選手層が厚いので、きっとやってくれると思います。
次節は4月19日に韓国のチーム全北現代との一戦です。
またね ٩(ˊᗜˋ*)و

DAZN


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