ついにグループリーグ最終節。
日本は、初戦ドイツに勝利も伏兵コスタリカに敗戦。
しかし、勝てば文句無しの決勝トーナメント進出。
日本は、2大会連続で決勝トーナメント進出できるのか!?
対戦相手は、強豪スペイン。
今大会で最も上質なサッカーをしているチームです。
そのサッカーは華麗かつ情熱的。
この強敵に抗えるか日本!!!
日本サッカーの未来は、この試合に懸かっている!!!
スタメン
日本の注目は、システムです。
日本は、ドイツ戦で機能した5バックで挑みます。
対するスペインは、負けなければ決勝トーナメント進出がほぼ濃厚です。
そのため、主力を温存するのではと各メディアが報道していました。
しかし、欠場濃厚とされたブスケッツ・ガビを中心に要となる選手をきっちりと起用。
1位突破と予選通過を確実にするため勝利を目指します。
試合展開
日本が所属するグループEは大混戦。
日本を含む全4チームに突破のチャンスがあります。
日本は、引き分けでも敗退の可能性がありました。
そんな難しいシチュエーションで迎えたスペイン戦。
日本の出方に注目が集まります。
試合開始早々は、戦前の予想通り。
スペインは、日本陣内にビルドアップで押込みます。
対する日本は、前田選手が奮闘。
猛烈なスピードでスペインのビルドアップを引っかけ期待感を抱かせます。
しかし、時間の経過とともにスペインの質が日本を圧倒します。
スペインは、守備を固めた日本のDFを華麗なパス回しで蹂躙。
前半11分。
押し込まれた日本。
波状攻撃に耐えきれず、クロスをモラタに沈められ失点。
早すぎる先制点に、予選突破に黄色信号が灯ります。
その後も、日本は攻撃の糸口すら見つからず圧倒されます。
前半は0-1で終了。
何とか1失点で済んだという印象。
加えて3バック全員にイエローカードが出るという厳しい状況です。
しかし、ここで終わらないのが今大会の日本。
後半開始から森保監督は、大胆な選手交代を敢行する。
切り札である三笘選手・堂安選手を同時投入し反撃に出ます。
すると、キックオフから日本は前半と全く別の顔を見せる。
前半は、ほとんどの時間で守備を固めるしかできなかった。
後半開始から日本は、ハイプレスでスペインに襲い掛かる。
後半開始3分。
スペインのビルドアップに前田選手・三笘選手が猛プレス。
GKシモンのパスは、微妙にずれて伊東選手がカット。
そのボールが堂安選手に渡ります。
堂安選手は、華麗なボールタッチでスペインDFを翻弄。
PA外から強烈なシュートを突き刺し同点。
ドイツ戦に続き、揺れるスタジアム。
テレビ越しにも何か起こる予感が伝わってきます。
その予感は的中。
同点から約2分で試合が動く。
またしても堂安選手がスペインを翻弄。
サイドで低いクロスを送ると、三笘選手がラインギリギリでクロス。
中央で待っていた田中選手が身体ごと押込みます。
「ボールがラインを出ていた可能性あり」としてVARが介入。
しかし、判定は覆らず日本のゴールが認められます。
日本が逆転。
ここから日本の長い戦いが始まる・・・
先制してから20分くらいは、日本のハイプレスが機能していました。
三笘選手がドリブル突破を見せるシーンもあります。
しかし、スペインもアセンシオ・フェラン・ファティを投入。
後半25分以降は、スペインが日本をサンドバックに。
残り時間をひたすら耐える日本。
さらに、ロスタイムも7分。
ボール支配率は、一時的にスペインが80%を記録。
何度も訪れた危険なピンチも乗り切り、試合終了。
試合終了のホイッスルとともに日本のベンチメンバーもピッチに雪崩れ込む。
2強2弱と言われたグループE。
今大会のダークホースと日本が化した瞬間。
日本の勝因は???:スタッツはワールドカップ史上初を記録
この試合は、10回やったら10回負けてもおかしくなかった。
スタッツを参考にしてみる。
日本 | スタッツ | スペイン |
---|---|---|
6本 | シュート数 | 12本 |
17.7% | ボール支配率 | 83% |
228本 | パス数 | 1058本 |
67% | パス成功率 | 91% |
ボール支配率で試合の勝敗は決まらない。
これは、サッカー界の常識です。
しかし、ボール支配率17.7%は、ワールドカップ史上最も低い支配率で勝利した記録となった。
そして、700本以上のパスを回されながら勝利したのは、ワールドカップ史上2度目らしい。
しかも、両方とも今大会の日本代表。(スペイン戦&ドイツ戦)
ここでシュート数を見て欲しいです。
スペインのシュート数は12本。
日本は、圧倒的に攻められ守備に追われていた印象でした。
それにしては、試合を通してスペインのシュート数が意外と少なかった。
つまり、勝因は・・・
日本の守備組織が機能していた
からと読み取れる。
そう、あれだけ押し込まれた中で1失点で済んだことが大きかった。
システム的配置:ビルドアップ時の数的不利
この試合、圧倒的にスペインが日本を蹂躙。
スペインのボール支配率は、80%を超えた。
しかし、データで見た時にスペインは、シュート数12本と満足に攻撃できなかった。
「なぜか???」
スペイン戦術は、ビルドアップが要。
中盤逆三角形の4-3-3を維持しながら敵陣を支配していきます。
正確で世界最高のビルドアップは、確実に敵陣深くまで侵攻。
仮にボールロストしても敵陣深くで即時奪還する。
スペイン戦での日本のシステムは、スペインのビルドアップに対し相性が良くなかった。
理由は、ピッチ中央の数的優位性です。
日本は、中盤において2対3と常に数的不利です。
配置的にアンカーであるブスケッツがフリーになってしまう。
ブスケッツは、ビルドアップの要です。
ブスケッツがフリーになれば、舵取りになりボールを効果的に分散させられてしまう・・・
日本の対スペイン対策:ブスケッツを消せ
上述した通り、日本の5-4-1は通常であれば数的不利です。
しかも、ブスケッツというキーマンを野放しにする。
「どうする日本???」
日本の対スペイン対策は、中盤の数的不利をCFで解決しています。
戦前は、前田選手でスペインDFにハイプレスをかけると予想されていました。
確かに、日本のゴールシーン含めて前田選手がスペインDFとGKにハイプレスをかけていた。
でも、この試合での最重要タスクは、ブスケッツの監視だった。
前田選手は、スペインがビルドアップを開始するとき必ずブスケッツの前でコースを切っている。
前田選手の動きにより中盤は、3対3の数的同数になる。
この効果により、スペインのビルドアップでブスケッツにボールが渡る回数が激減していました。
そして、ブスケッツという舵取り役を失ったスペインの攻撃は単調になった。
スペイン戦のキーマンは、前田選手
上述した日本の対スペイン戦術は、前田選手だからできたと思います。
この試合の前田選手のタスクは、ブスケッツの監視だけではありませんでした。
同点弾のシーンにも絡みましたが、守備のスイッチとしても重要な役割を担っています。
ボールを支配されるスペイン戦では、ブスケッツの監視とハイプレスを激しいスピードで何度も行う必要があります。
普通の選手には、不可能です。
現代サッカーにおいて、1試合でのスプリント回数は多い選手で40回ほどとされています。
前田選手は、スペイン戦で62分間出場してスプリントを62回記録しています。
この試合のキーマンは、前田選手といっても良いでしょう!!!
最後に:奇跡を見た
本当に凄かった・・・
あり得ないの連続。
ここ一番で飛び出した堂安選手のスーパーゴール。
三笘選手のクロスは、普通ではないバウンドをしてGKが反応できなかった。
守備に関しても、最後まで集中力は切れなかった。
人間の集中力は5分って本当かなw
本当におめでとうございます!!!!
日本サッカーの未来がまたひとつ明るくなった
それにしても、本当に面白かったです。
まるで映画のようだった。
同時刻キックオフのドイツvsコスタリカ戦の影響も凄かった。
目まぐるしく、4チームが突破と敗退の状況が分単位で入れ替わり予測不能。
間違いなく一番白熱したグループだったよね
次はモドリッチに会えるw
またね٩(ˊᗜˋ*)و