ワールドカップ開幕まで1週間を切りました。
今回はカタールワールドカップ前、最後の試合です。
それだけに森保監督がどのように選手起用し、本番を想定するのか注目です。
対するカナダもワールドカップ出場国です。
カナダは、今回のダークホース候補として挙げる識者の声も少なくないチームです。
アルフォンソ・デイビス、ジョナサン・デイビットと欧州でも名の知れた選手がいます。
スタメン
試合展開
試合は、終始カナダのペースで進んでいきます。
カナダは、組織・戦術ともによく整備されていたチームでした。
開始からカナダの完成度に日本が翻弄される展開です。
しかし、前半8分。
柴崎選手が意表を突き、相手CB背後にボールを送り込みます。
走り込んだ相馬選手が、つま先でコースを変えるシュートで日本が先制します。
先制点を与えたカナダでしたが、焦らず自慢の組織力で日本に対抗します。
日本は、カナダの組織的なビルドアップに苦戦します。
カナダは、確実に日本陣内に押し込みます。
その結果、カナダにセットプレーが増えていきます。
すると、前半20分。
CKから日本は同点にされます。
その後も日本は、カナダにFK・CKを連続して与えてしまいます。
さらに、権田選手がハイボールの処理に不安定さを露呈。
本番前にセットプレーに不安が募ります。
それでも、カナダもチャンスを決められず前半はスコアレスドロー。
後半は、開始から日本・カナダともに選手交代します。
途中投入された上田選手が奮闘します。
前線で起点となり、好調さをアピールします。
しかし、日本の攻撃は連続性や再現性が見られず、時間だけが過ぎていきます。
後半40分。
日本は、吉田選手を投入し3バックにシステム変更します。
すると、停滞していた日本の攻撃は機能し始めます。
後半43分、柴崎選手と山根選手が連携しチャンスが訪れます。
柴崎選手のパスに抜け出した山根選手がシュートを放ちますが、ポスト直撃。
日本はここから勢いに乗っていきます。
しかし、後半ロスタイム。
PA内にカナダの選手が侵入。
ドリブル突破を仕掛けると、堪らず山根選手がファウル。
日本は痛恨のPKを取られます。
PKは、カナダの選手が落ち着いて”パネンカ”
タイミングを外された権田選手は、ボールに触れるものの及ばず。
日本は、土壇場で逆転を許してしまい万事休す。
ワールドカップ前最後の試合。
日本は、不安の残る試合となってしまいました。
勝敗を分けた要因は
ここからは、日本とカナダで勝敗が分かれた要因を探ります。
カナダは、Jデイビットという優秀なワールドクラスのストライカーがいます。
しかし、選手個々の能力で言えば日本の方が優れています。
それでは、なぜ試合のほとんどで日本が機能しなかったのでしょうか?
機能しない日本のビルドアップ:ミラーゲーム
日本のシステムは、中盤三角形の4-2-3-1。
対するカナダの守備時は4-4-2。
この試合の日本の特徴は、トップ下の南野選手。
南野選手は、ビルドアップ時やプレス時に浅野選手と並んで2トップのような位置でプレイします。
しかし、この位置取りが日本にとっては厳しい状況になっていきます。
日本のビルドアップ時を見ていきます。
カナダは、日本がハーフウェイライン付近までビルドアップで進むと無理にプレスしません。
しっかりと陣形を組んでスペースを埋めていきます。
前述した通り、日本の基本システムは4-2-3-1です。
しかし、日本は南野選手の立ち位置で4-4-2に近い布陣になっていきます。
その結果、日本とカナダは4-4-2同士のミラーゲームとなります。
つまり・・
日本の攻撃時ほぼ全ての局面で1対1
日本のビルドアップは、相手を崩すような工夫は皆無です。
時折、個の力で打開しますがカナダの守備にハメられてしまいます。
戦術化されたビルドアップ:日本も見習うべき
日本とカナダは、ミラーゲームだと上述しました。
ミラーゲームならば、日本もカナダに対してプレスをハメやすいはずです。
しかし、カナダは日本のハイプレスを上手く回避しています。
日本はハイプレスを仕掛けますが、ほとんどの場合に決まり事がありません。
選手個々がアドリブで仕掛けます。
対してカナダのビルドアップは、組織化されています。
カナダは、意図的に数的優位を作って日本のハイプレスを無効化
カナダがビルドアップを開始すると、CB2枚に向けて浅野選手と南野選手がプレスにいきます。
この時点では2対2の局面です。
しかし、カナダはSBの選手がマークしに来る久保選手を引き連れて前線にあがります。
これによりCB脇のスペースを確保。
SBが空けたスペースにボランチのハッチンソンが下りて3バックを形成します。
この結果、日本の第一プレッシャー時は3対2でカナダが数的優位になります。
カナダのこのようなビルドアップは何度も行われ、日本のハイプレスは完全に機能しませんでした。
日本に収穫はあったか???
カナダ戦は、試合を通して上手く行かず・・・
日本にしてみればネガティブ要素の強い試合でした。
本番前に不安ばかりが募る・・・
それでも収穫はありました。
収穫は、、、
3-4-3システム
転機は、試合終盤の後半40分です。
この時に吉田選手が投入されシステムが3-4-3に変更されます。
上述した通り、この試合は4-4-2のミラーゲームになっていました。
日本のビルドアップ時、全ての局面で数的優位は同数でした。
しかし、3バックに変更したことでDFラインで数的優位(3対2)を得ています。
3-4-3に変更したことにより、日本はこの日最大のチャンスを得ています。
3バックは、守備においてWBを下げて5バックに可変することも可能です。
つまり、DFラインを堅くする可能性も含んでいます。
ここに来て、新たなオプションができたことは数少ない収穫です。
最後に:ワールドカップの結果は重要
本当に不安ですね・・・
正直言うと、日本は団結力はあるけど戦術が無いです。
サッカーの戦術は、日々進化している。
カナダのようにタレント力が無くても、戦術が機能すれば個で上回る相手を凌駕できる。
日本は、ドイツ・コスタリカ・スペインに対して何か戦術は用意しているのだろうか・・・
今のところ、前田選手のハイプレスくらいしか想像できない。
しかし、安易に行けば逆効果。
ワールドカップの結果は、日本サッカー界の未来を左右する重要な戦い。
ここで悲惨な結末を迎えれば、危機的状況です。
森保監督の策に注目したい・・・
またね٩(ˊᗜˋ*)و
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