【Jリーグ試合分析】2022.5.25 横浜F・マリノス vs 京都サンガ

アイキャッチ マリノス
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浦和戦・福岡戦と悪い流れに飲まれつつある、マリノス。

アウェイ3連戦が終わり、ホームに帰ってきての初戦でチームの調子を戻したいところ。

京都との戦いは、実に12年ぶりだそうです。

マリノスとしては、優勝を狙う以上は川崎・鹿島に勝ち点を離されたくないので、勝利は必須です。

スタメン

試合結果

前半は、序盤からマリノスが優勢で試合を進めていきます。
京都の素早いプレスを、ワンタッチパスや時にはロングボールを交え翻弄していきます。
しかし、幾度となくチャンスが訪れますが、GK若原選手の好セーブやシュートミスなどで得点を奪えません。なかなか、得点が奪えず嫌なムードが漂い始めたところに小池龍選手が状況を好転させます。
前半41分、小池龍選手目が覚めるような一撃でマリノスが先制します。
マリノスが1-0で前半終了します。
シュート数をみても、マリノス13本に対し京都1本と圧倒しています。
後半は、ハーフタイムから京都がシステムを3バックに変更し、試合展開を変えようと策を練ってきます。
しかし、後半もマリノスが京都を圧倒します。
そして、迎えた後半72分に松原選手が追加点を挙げます。
試合はそのまま2-0でマリノスが勝利しています。
この試合は、マリノスから見れば非常にポジティブな内容でした。
今シーズンのベストゲームだったと個人的に思っています。
京都はプレスが特徴のチームです。
マリノスはこういったスタイルのチームに苦戦しますが、この試合は圧倒できました。

DAZN

勝因:京都のシステムの穴とマリノスの成長

なぜプレスが得意の京都に対して、試合を圧倒できたのでしょうか。
”ようせい”は以下の2点だと考えます。

勝因
  1. システムの穴を突くことに成功
  2. ビルドアップ時の選択肢の豊富さ

システムの穴を突くマリノス

ワンアンカー金子選手の両脇

まず、観るのは京都のシステムです。京都は4-1-2-3です。注目すべきは中盤の底の金子選手。
京都は中盤3枚が横並びになったり、時には金子選手がワンアンカーになったりします。
ワンアンカーの欠点は、両脇のスペースが空くことです。マリノスは試合開始序盤からこのスペースを利用できていました。
京都は前掛かりにプレスに来ます。特にマリノスのビルドアップ時は相当厳しく対処しようと激しくプレスに来ます。マリノスのボランチ2枚に対しては厳しくプレスしたり、空間を消しにかかっています。
しかし、マリノスは西村選手・レオセアラ選手がこのワンアンカーの両脇のスペースを使うことで京都のプレスに穴を開けることに成功します
京都の選手は、ワンアンカーの両脇でボールを受けた選手に誰がマークに行くのか混乱が生じ、対応が甘くなっています。
結果として、京都はプレスが効きずらくなっています。

マリノスのフェイク:囮とワンアンカーの両脇のスペース

前半16分のマリノスのビルドアップが代表例です。
GK高丘選手からのビルドアップです。
マリノスは、ビルドアップの局面でマニュアル通りボランチの一角である渡辺選手がボールを受けようとします。しかし、これはです。
京都はこの局面で、渡辺選手のマークとスペースを埋めに前掛かりにプレスにきます。
しかし、レオセアラ選手がワンアンカーの脇のスペースでボールを上手く受けて、京都のプレス攻略します。
このシーンは渡辺選手が上手くワンアンカーの金子選手を釣りだし、レオセアラ選手もワンアンカーの脇のスペースを使いました。
試合は、このようにマリノスが京都のワンアンカーの両脇のスペースを上手く使い、京都のプレスを無効化していました。

ビルドアップ時の選択肢の豊富さ

これは、マリノスの成長が京都のスカウティングを上回ったことで生まれました。
前節までのビルドアップは簡単にまとめると以下の通り。

前節までのビルドアップ
  • 選手のプレー選択肢が読まれやすい
  • 一発で背後を取らない

恐らく、京都もこの部分は修正されないものとしてプレスをかけてきたと思います。
前節vsアビスパ福岡戦の記事で、マリノスの苦しんでいる問題点を指摘しています。
詳しくは下記の記事を参照ください。

DAZN

背後への飛び出し&プレー選択肢の増加

前節までは裏へ抜ける動きが極端に少なく、ビルドアップ時のプレー選択肢が限られていて相手に読まれています。これが原因で、相手のプレスを押し下げることができずにプレスを受けまくってしまいます。しかし、この試合では複数の選手が京都DFラインの背後に抜け出していました。DFラインの背後を狙う選手が複数いることで、パスの出し手も選択肢が格段に増えました。

精度の高い対角線のロングボール

DF背後への動きで、パスの出し手のロングボールも効果的になり、本数も前節までに比べて多くなった印象を受けました。
マリノスのWGは、多くの場合にサイドに張ります。
下の図は正確には対角線ではありませんが、対角線上にサイドチェンジできれば、相手のSBと1対1の状況が作れます。
マリノスのWGは、個人能力が高く、このシチュエーションになればチャンスメイクに成功する可能性が高くなります。
本来であれば、この形をシーズン序盤から行いたかったはず。

先制点は必然

先制点はマリノスがシステムの穴を突いたことにより、ビルドアップ時の選択肢の豊富さがもたらした得点とも解釈できます。

先制点の場面は西村選手とレオセアラ選手が京都のワンアンカーの脇のスペースを狙い、小池選手と宮市選手がDFラインの背後に抜け出します。
これにより、多くの選択肢を持てたエドゥアルド選手は正確なボールを宮市選手に渡すことができました。この流れから先制点は生まれています。

最後に

悪い流れを止める大きな1勝です
川崎・鹿島ともに勝ち点を落とし、その差は2。
そして、マリノスは苦手とするプレスが得意なチームに完勝できました。
この勝利は結果だけでなく、勝利のプロセスもよくシーズンのターニングポイントになった可能性すら感じました。本当によいゲームでした。
しかし、ポジティブな面だけではありません。
喜田選手・レオセアラ選手が負傷してしまい、また離脱となれば新たな課題も浮上する可能性があります。次戦以降も目が離せません。
今シーズンは、まだ優勝争いは混戦です。
マリノスは射程圏内だぜ
またね٩(ˊᗜˋ*)و

DAZN
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