いよいよ、J1リーグも残り5試合。
首位・神戸との勝点差は4となります。
まだ、優勝のチャンスがあるとはいえ一つも落とせない状況です。
しかし、マリノスは過密日程の影響が大きくのしかかっています。
CB登録の選手が實藤選手以外は全員離脱。
まさに大ピンチの状況です。
今節の対戦相手は、コンサドーレ札幌。
札幌は、3試合勝ち無しと不調気味です。
マリノスとしては、ホームでしっかりと勝ちに繋げたいところです。
スタメン
試合展開
試合は開始から札幌がペースを握ります。
何度もPA内に侵入し、シュートチャンスが訪れます。
しかし、札幌はフィニッシュの局面で精細を欠き続けます。
すると前半19分。
ロペス選手が献身的な守備でボールを奪取。
ロペス選手は、DFライン背後にスルーパスを送る。
このパスで宮市選手が独走状態に・・・
GKと1対1を冷静に流し込み先制。
先制点をきっかけにマリノスと札幌ともにイーブンな展開になります。
前半は、ワンチャンスで先制点を挙げたマリノスがリードして終了。
後半は、両チームともに攻め合う展開になります。
局面が激しく入れ替わり、決定機も多く生まれました。
それでも、両チーム決定機を決めきれず・・・
後半84分。
途中出場の杉本選手がヤンマテウス選手のクロスに反応。
ボレーシュートは当たり損ないますが、軌道はループシュートに。
ゆっくりとGKの頭上を越し、勝ち越しゴール。
その後もエウベル選手・杉本選手ら途中出場組が攻守に躍動。
エウベル選手・植中選手にもゴールが生まれます。
試合は、終了間際に地力を発揮したマリノスが4-1で勝利しています。
システムの優位性を突き合う両者
スコアこそマリノスが圧勝していますが、札幌が勝利していてもおかしくない展開でした。
試合内容を総括すると、両者がシステムの優位性を生かした戦いをしていました。
マリノス・札幌の戦術的ポイントに触れていきます。
札幌の狙い①:4-4-2殺しの3-2-5
マリノスのプレス時のシステムは、4-4-2です。
基本システムの中盤3角形4-3-3からトップ下が一列前に上がります。
対して札幌は、攻撃時に可変し3-2-5になります。
3-2-5は、4-4-2殺しのシステムです。
4-4-2に対しての3-2-5の優位性は、大きく2つあります。
- ビルドアップ開始時点のDFライン(3対2)
- ファイナルサード(5対4)
札幌は、第一プレッシャーを数的優位で確実にビルドアップします。
そして、最終局面で5レーン全てに人を送り込み攻撃に厚みを持たせます。
最終局面で5トップになる可変システムは、4バック・3バック問わず世界のトレンドになっています。
マリノスは、5レーン全てに雪崩れ込む札幌の攻撃に最後まで苦戦を強いられています。
札幌の狙い②:基本システム3-4-2-1の優位
札幌は、ビルドアップをすると最終的に3-2-5になります。
札幌の基本システムは3-4-2-1です。
3-4-2-1は、4-4-2の守備ブロックに対してDFラインで3対2の数的優位になります。
札幌は、4-4-2の2トップ脇のスペースをCBが持ち運び、対角のWBにサイドチェンジを狙っています。
何回か対角のサイドチェンジに成功し、良い流れで攻撃しています。
しかし、CBからの対角のサイドチェンジは距離が長いため成功率が低かったです。
距離が足りずマリノスの選手がカットできたり、タッチラインを割っています。
もし、対角のサイドチェンジを正確に蹴れるCBがいれば結果は逆だった可能性もあります。
マリノスの狙い:MVPは松原
マリノスのビルドアップ時のシステムは、偽9番を用いた4-2-4です。
対して札幌は、守備時に基本システム3-4-2-1を可変し3-4-1-2で守ります。
札幌の狙いは、マリノスのGK・CBの中央への縦パスを遮断することだと思われます。
4-2-4は3-4-1-2に対して、システム上の優位はSBにあります。
上図のように、マリノスはビルドアップ時に左右のSBがフリーになります。
この試合は、マリノスのGK・両CBが右利きです。
この点からRSBの松原選手にボールが流れやすくなります。
マリノスは、ビルドアップ時にSBを起点として札幌のプレスを剝がします。
松原選手は、偽SBで位置を変えたりと札幌を混乱させます。
さらに、松原選手はパサーとしてもJ屈指の選手です。
長短のパス精度に加え、直前でパスの選択肢を変えられる能力を持っています。
松原選手が多くの時間フリーで起点になれたことが試合展開を大きく変えていきました。
最後に:残り4試合
J1も残り4試合。
現実的には、ACLも入ってきて日程はかなり厳しいです。
現状で離脱していないCB本職は、實藤選手のみ。
復帰できそうなのは、エドゥアルド選手と上島選手。
この2人がどれくらい早期復帰を果たすかがマリノスとして大きなポイント。
また、個人的に期待したいのが吉尾選手。
以前は当たり負けすることも少なくなかった。
けれど、最近はフィジカル負けも減ってきています。
札幌戦も何度も守備でボールを奪回しています。
そろそろJ1に慣れてきて本領発揮も近いと感じます。
またね
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