リーグ後半戦の初戦を制し、6連勝を達成したマリノス。
リーグ後半戦も絶好調を維持しています。
今節の対戦相手は、2位・名古屋グランパスです。
名古屋は、堅守速攻の手堅いチームです。
恐らく堅守は、J1でNO.1のチームです。
さらに、アタッカー陣もユンカー選手・マテウス選手と曲者が揃います。
マリノスとしては、常に気を抜けない相手となります。
スタメン
試合展開
試合は、開始からホームの名古屋が押し込みます。
マテウス選手・ユンカー選手を中心とした攻撃でチャンスを作っていきます。
マリノスは、CKを連続で取られるなど厳しい立ち上がりになります。
すると、前半8分。
永井選手のミドルシュートが決まり、名古屋が先制します。
対するマリノスも徐々にビルドアップが機能して、ペースを引き戻していきます。
前半28分、一森選手が鋭いパントキックでカウンターを仕掛ける。
このボールにエウベル選手が反応し、独走する形になります。
最後は、エウベル選手が冷静に沈めてマリノスが同点に追いつく。
さらに、前半35分。
マリノスは、勢いをそのままに攻撃を仕掛ける。
美しいパスワークから中央を打開し、ジョエル選手が狙いすましたミドルシュート。
地を這うようなシュートが決まり、マリノスが逆転に成功します。
前半は2-1でマリノスがリードして折り返します。
後半は、開始から再び名古屋が激しく肉弾戦を仕掛けます。
後半47分。
エドゥアルド選手がまさかのパスミス。
そのままユンカー選手に決められ、痛すぎる同点ゴールを決められます。
その後は、ホームの大歓声を受ける名古屋がペースを握ります。
マリノスは、名古屋の激しいプレスにビルドアップが上手く行かず・・・
それでも、名古屋は決定機を決められずタイムアップ。
天王山は、両者痛み分けに終わっています。
天王山で見えたマリノスの課題とは
優勝争いのライバル相手にアウェイで引き分け。
客観的に見れば、悲観する結果ではありません。
しかし、後半は特に名古屋に押し込まれ危険なシーンもありました。
一歩間違えれば、敗戦の可能性も充分にありました。
WBを使った名古屋の攻撃は、3バックを苦手とするマリノスに大きな課題を突き付けました。
話は脱線しますが、名古屋のシステム3-4-1-2は珍しいシステムです。
現代サッカーは、ピッチの全選手が攻撃・守備に関わります。
3-4-1-2は、トップ下と2トップは攻撃に専念しやすく、残りは守備に専念しやすいです。
つまり、前線3人は攻撃・残り7人は守備と役割を分けられるシステムです。
例え、攻撃の3人の守備が緩くても、中央が厚くクロスに強いです。
守備の負担が軽いため、前線3人は攻撃に専念できます。
長谷川監督のサッカーは、堅守速攻です。
堅守の構築と前線の強烈な外国籍アタッカーを融合させるのが得意です。
3-4-1-2は、長谷川監督にピッタリのシステムと言えます。
マリノスのハイプレスが機能しなかった要因:危険と隣合わせ
名古屋ペースが続いた後半をみていきます。
後半開始早々の得点で、波に乗る名古屋。
前半では、見られなかった自陣からのビルドアップも見せます。
名古屋のビルドアップに対して、マリノスの守備を確認します。
- マリノスCF→名古屋CB
- マリノスWG→名古屋サイドCB
- ボランチ→CH
- SB→WB ここがポイント
マリノスは、敵のビルドアップに対してハイプレスを掛けます。
ミドルプレスは、ほぼ無いと言っても良いでしょう。
つまり、敵DFラインに積極的にプレスを掛けます。
そのプレスのかけ方がポイントです。
両サイドCBに対して、WGが出ていってプレスを掛けます。
これによりWBには、SBがプレスに出ていきます。
言い方を変えれば、マリノスはSBが釣り出される格好になります。
WBの立ち位置が深いとマリノスのSBのプレス到達まで時間が掛かります。
つまり、SBのプレス到達まで名古屋はサイドCB+WBは数的優位(2対1)になります。
名古屋は、主に左サイドのWB森下選手が起点となり数的優位を生かします。
森下選手は、SBがマークに到達するまでにトップ下/ボランチを利用し攻撃を加速させます。
SB→WBのマーク到達までの時間を名古屋に上手く利用されてしまった
マリノスのハイプレスが機能しなかった要因はこれです。
さらに、マリノスCBと名古屋FWは2対2の数的同数です。
名古屋2トップがサイドに流れるとCBは釣り出され中央のスペースが大きく開きます。
この試合では、CBが釣り出された中央のスペースを使われることはありませんでした。
しかし、マリノスはCBが釣り出されるとかなりの確率で失点しています。
後半開始からプレスがハマらないことが多く危険と隣合わせでした。
ハイプレスがハマらないとき、やり続けるのは正解なのだろうか・・・
Jで遅行から得点を奪えるチームは多くないです。
おそらく、カウンター主体の名古屋も遅行は苦手です。
名古屋戦は明らかにハイプレスがハマらないシステムの相性だった。
それならハイプレスを諦めてミドルプレスに切り替えることも有効だったはず。
優勝のためには、何が正解なのだろうか・・難しいところですね
最後に:名古屋戦をどう捉える?
この試合は、評価が難しいかなと感じました。
順位表上では、アウェイで2位・名古屋に引き分けは悪くないです。
勝点差があり、順位が上のマリノスは勝点差を維持できた。
でも、一時はリードしていた・・・
勝っていれば首位独走できた。
それだけに2失点目は、本当にもったいない。
安い失点だった・・・
相手のプレスにハマった訳ではない、単純なミスだったと思います。
今シーズンは、前後半の立ち上がりのパフォーマンスが悪すぎる。
柏戦も後半開始早々に失点している。
同じ失敗を見逃してくれるほどJ1も甘くない。
この後、川崎・浦和と厄介な連戦が控えるだけに勝利したかったのが本音です。
この2試合の結果は、非常に重要。
ヒリヒリするぜJリーグ!!!
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