前節は、難敵サンフレッチェ広島を粉砕し、6連勝と勢いに乗っているマリノス。
今節は、”鬼門”アウェイのセレッソ大阪戦です。
セレッソ大阪と聞けば、マリノスサポーターの皆さんならアレルギー反応が出てしまうレベルで勝てない相手です。
まさに、天敵です。
しかし、今年のJリーグは混戦。一つの負けが自分達の立ち位置を難しくしてしまう。
アウェイのセレッソ大阪相手でも負けるわけにはいきません。
スタメン
試合展開
攻めるマリノスと守ってカウンターのセレッソという構図がはっきりと見えた試合でした。
試合序盤は、マリノスがテンポの良い崩しでセレッソを脅かしていきます。
オフサイドにはなりましたが、レオセアラ選手がゴールネットを揺らすシーンもありました。
対するセレッソは時間経過とともにプレスが安定してきます。
両者攻防が続きますが、前半31分マリノスは最悪の形で先制されてしまいます。
セレッソは、狙った形でマリノスのビルドアップを止めてショートカウンター発動。
最後は、加藤選手が豪快に蹴り込みセレッソが先制に成功します。
その後もセレッソの守備ブロックを前に前半0-1で終了。
後半もセレッソの堅い守備をマリノスは崩せません。
すると、62分セレッソはスローインから見事な連携で最後はアダムタガートが冷静に流し込み追加点。
しかし、今年のマリノスはここでは終わらない。
78分、試合の命運を分ける判定が起こり、マリノスがPKを獲得します。
宮市選手のシュートを金選手がファンブル。
仲川選手と山中選手がもつれてマリノスにPK判定。
一連の流れにVARが介入し、山中選手のファウルはイエローカード→レッドカードに変更されます。
ここからマリノスの猛攻が始まります。
そして、試合はロスタイムに突入します。
ゴール前でダイレクトプレーが続き、岩田選手のクロスにレオセアラ選手が起死回生のヘディングシュート。
マリノスは土壇場で同点にします。
試合はそのまま2-2で終了。
マリノスの連勝は6でストップしましたが、大きな勝点1をもぎ取りました。
戦術的考察:得点は全て必然!?両チームの狙い
セレッソ大阪の守備ブロック:マリノスを罠に誘う2トップ
この試合は、セレッソ大阪の守備ブロックにマリノスはかなり苦戦しました。
セレッソ大阪のシステムは4-4-2です。
マリノスのビルドアップの多くは、ボランチの内1枚がボールを受けに正面から下がります。
図で言うと岩田選手。
セレッソ大阪の守備ブロックは、マリノスのボールを受けに来るボランチの選手を起点に位置取りをしています。
セレッソの2トップ(加藤選手・上門選手)が、マリノスのボランチを距離を狭くして挟み込みゲートのように立ちます。
そして、2トップの内ボールサイド側の選手がマリノスCBにプレスに行きます。
次に、マリノスのビルドアップが2トップのゲートの間を通過しボランチにボールが入るときは、後ろから奥埜選手が勢いを持ってボール奪回に来るというのが、この試合通してのセレッソの考えでした。
この形でセレッソは陣形をコンパクトに保ちます。
DFラインの設定は自陣深くする時もありましたが、非常に安定感のある守備ブロックでした。
マリノスは、ボランチを起点にビルドアップすることが多いため、これは有効でした。
現に何度もマリノスのビルドアップをこの形で阻害しています。
セレッソの先制点もこの守備原則がハマった形でした。
畠中選手から、間に下りて来たジョエル選手への縦パスをカットし速攻になった形です。
ボランチの立ち位置でセレッソ大混乱
試合は、後半途中まで上述したセレッソのマリノスのボランチを起点にした4-4-2の守備が機能しています。
マリノスのマスカット監督は後半途中から修正を施します。
後半64分の交代がキーになっています。
- 畠中選手→マルコス選手
- 西村選手→山根選手
マリノスは、岩田選手をCBに移動し山根選手・ジョエル選手のダブルボランチ。
トップ下にマルコス選手という配置にしています。
この交代策は、ビルドアップの立ち位置修正の意図があったとおもいます。
マリノスは交代策によりビルドアップを修正します。
修正前までは、2トップのゲートの間でボランチがボールをもらって、セレッソのプレスを受けやすかった。
そこで、2トップのゲートの間ではなくゲートの脇でボランチがボールを受ける動きを追加します。
上図のシーンでは、畠中選手から2トップのゲート脇に下りた山根選手がボールを受けるシーンです。
2トップのゲート脇に山根選手が下りたことでセレッソの奥埜選手はプレス到達まで時間を擁し、プレスがかかりません。
この動きにより、セレッソのボールホルダーへのマークに混乱が生じます。
山根選手は、奥埜選手と毎熊選手の二人を引き連れます。
この動きは、ライン間も大きくスペースを空けることができます。
セレッソは、マリノスのビルドアップ修正により、守備ブロックに綻びが生じてきます。
この2トップのゲート脇に下りる動きを山根選手・ジョエル選手が同時に行ったシーンもあります。
CB岩田選手がビルドアップを開始しようとします。
その瞬間、山根選手・ジョエル選手が同時に2トップのゲート脇にボールをもらいに移動します。
すると、狭く保っていたセレッソの2トップのゲートが釣られて広がります。
この動きによりライン間に大きなスペースとパスコースができます。
このゲート脇にボランチがボールをもらいに下りる動きで、セレッソの守備は次第に間延びして機能しなくなります。
この立ち位置の変更でマリノスのビルドアップは、ストレスなく循環しだします。
こうして、セレッソを陣内に閉じ込め反撃に成功します。
マリノスが同点に追いついたのは、偶然ではありません。
PK獲得まで、このようにビルドアップをスムーズに展開し、セレッソに圧力をかけることに成功したからです。
なお、セレッソが退場者を出したため、この2トップのゲートの脇に下りる動きは必要がなくなります。
そのため、ボランチを山根選手1枚に変更し、2トップ気味にAロペス選手を投入しています。
最後に:鬼門でもぎ取った価値ある引き分け
今シーズンのマリノスは、違うなと思わされた戦いでした。
鬼門で2点差を追いついたスピリットは感動しました。
ベンチワークも選手も冴えわたり、チームの勢いはさらに増したと思います。
ただ、サッカーって不思議ですよね
優勝した2019年もセレッソにはホーム・アウェイで負けています。
そして、今回も勝てなかった。
来シーズン、戦うときはアウェイで勝ちたいですね
次節もマリノス旋風を巻き起こすぜ(≧∇≦*)
またね ٩(ˊᗜˋ*)و
今シーズンは、優勝争いも残留争いも混戦です。
近年稀に見る混戦を見逃すな!!!
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