【ACL試合分析】2022.4.25 横浜F・マリノス vs シドニーFC

アイキャッチ マリノス
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はじめに

今節はACL第4節のシドニーFC戦。
中3日で同じ相手との対戦という珍しいシチュエーション
シドニーFC相手に連勝できれば、2位以内は濃厚となる一戦
前節は、マリノスにミスが多く非常に苦しみました。
今節はどうなるのか楽しみです。
前回の対戦の分析も行ったので、良かったら読んでくれると嬉しいです。

スタメン

※見やすくするためにマリノスの選手達を黒で記載してます。

試合結果

試合開始前の現地の環境は気温30℃・湿度65%と相変わらず厳しい環境です。
試合はマリノスがACLのこれまでの3戦と違う戦いぶりを見せてくれます。
マリノスらしい流れるパスワークからオートマチックにサイドに展開できて、シドニーFCの体力を削っていきます。
前半5分にCKの流れで、水沼選手のクロスから實藤選手のヘッドで先制します。
さらに、前半10分に松原選手の虚を突いたクロスから西村選手が芸術的な反転をし、シュートします。
これが決まり、マリノスは前半開始から早い時間帯で2点をリードします。
試合はマリノスが優勢のまま、2-0で前半終了。
後半もマリノスペースで試合は進みます。
しかし、試合の判定が明らかにシドニーFC寄りになり、マリノスがペースを乱されます。
すると、謎の判定で64分に角田選手が退場
このままシドニーFCペースになると思われましたが、マリノスは果敢に自分たちのサッカーを貫き、後半84分にAロペス選手が決めて3-0で試合終了

シドニーFCは試合前から失敗していた

この試合は終始マリノスペースで進みました
これまでの3試合は、パスミスや連動性などがJリーグと比較しても別チームだったと思わせるような悪い出来でした。
ベトナムの気温・湿度・ボールの違いやピッチへの慣れで、マリノスの選手達のパスワークや技術が安定してミスが減った事も大きく影響しました。
しかし、”ようせい”はシドニーFCのスカウティングに問題があったと思います。
今シーズン、マリノスと戦う時の対戦相手はマリノスのビルドアップを破壊するために、スペースを極端に埋めてきたり・マンツーマンDFを挑んできました。
時には、打ち合いを挑んでくるチームもありました。
しかし、シドニーFCはどちらでもありませんでした。
プレスに工夫が見られず、打ち合いもせず・・・・・
前回対戦時の時も同様です。
恐らく、普通にいつも通りプレイすれば問題ないと高を括っていたとすら思えます。
想像ですが、スカウティングもACLのみをピックアップしていたのではないかと疑っています。
ACLだけならば、マリノスの攻撃はパスミスも多く、守備も連動できていなかった。
唯一、エウベル選手が脅威に思えたのではないでしょうか・・・・・
そう考えれば、エウベル選手にだけ厳しく行っていた印象も納得いきます。
シドニーFCのシステムを見てみます。

シドニーFCは攻守において可変する事無く一貫して4-4-2で編成しています。
一方、マリノスはチームスタイルをどんな相手でも貫きます。
ビルドアップ時にCFや裏のスペースにほぼロングボールは蹴りません。
ゴールキックや自陣深い位置でのビルドアップはほぼ不変です。
マリノスはGKもしくはCBが中盤の二枚(喜田選手・山根選手)及び偽SBを経由して、最終的にサイドに張っているWGにボールを渡す事を第一に考えています。
良い形ではボールを受け取ったWGが中盤3枚とSB・CFと連携しポケットやニアゾーンを利用したクロスを送る形を理想として、ビルドアップしています。
マリノスのビルドアップ開始は、中盤のボランチ2枚かSBが上記の図の赤いエリアにポジションを取り、相手プレスを回避し局面を展開します。
多くの対戦相手は、CB・ボランチ2枚・偽SBが使う赤いエリアを使わせまいとスペースを消したり、マンツーマンDFを仕掛けましたが、シドニーFCは全くケアしていなかった印象です。
プレスも連動性に乏しく、CBとボランチ2枚への対応が遅いため多くの時間帯で赤いエリアを使われています。
シドニーFCの2トップの間をボールが抜けていくシーンは何度あったのでしょうか・・・・
しかし、偶発的に56分に二度ほどこの赤いエリアを消され、マリノスはボールロストし決定的ピンチを迎えています。
シドニーFCがこの赤いエリアを消していれば、マリノスはもっと苦戦したはず・・・・
前半からこのようなシチュエーションが多く、後半は修正されると予想していましたが、修正されませんでした。
そのシーンが後半47分です。

CBの岩田選手が低い位置でビルドアップを開始します。
マリノスはいつも通り、ボランチの山根選手がCBからボールをピックアップします。
山根選手は赤いエリアでフリーで受けて、内に入って来た小池選手にボールが渡ります。
残念ながら、小池選手のパスは弱くエウベル選手に届きませんでしたが、マリノスはストレスなく
WGのエウベル選手にボールを届けられそうでした
似たシチュエーションがこの試合で何度も見られました。
マリノスの攻撃がスムーズに行たのは、マリノスの選手のクオリティが相手の想像を上回った事とシドニーFCの準備不足とスカウティング失敗にあったのではないかなと思います。

不可解な判定

この試合は後半からマリノスに不利な不可解な判定が続出します。
明らかにアフター気味であってもノーファウルでカードが提示されないシーンが何度もありました。
その代表例が64分の角田選手のレッドカード。
皆さんはこのジャッジが妥当だと思いますか?
この角田選手の退場を検証したいと思います。

黒がマリノスです。
【状況】
マリノスがシドニーFC陣内に攻め込みますが、一度バックパスで岩田選手にボールを戻します。
再度ビルドアップし直す状況です。
岩田選手から角田選手に横パスをして、角田選手がトラップした瞬間にシドニーFCの選手がプレスに行きます。角田選手はリスクを避けるために後ろにボールを置こうとします。
※恐らく角田選手はリスクを恐れ、GKへボールを返そうと考えたと思われます。
しかし、後ろ側に持ち出そうとした瞬間にプレスをかけてきた選手と競り合いになり、相手FWが倒れます。そして、角田選手に一発レッドカードが提示され退場処分になりました。
【考えられるジャッジ】
ポイントとしては、角田選手が一発レッドカードだった所です。
この状況でレッドカードになりうる可能性は、以下の3点。
①危険なタックル
②反スポーツ行為
③DOGSO(ドグソ)

ひとつずつ検証しましょう。

①危険なタックル
これは該当しないと思います。
観ればわかりますw
単純に足もかかっていないからです。

②反スポーツ行為
このシーンは肘を行為的に顔面に入れた可能性があるかどうかが
一番近いでしょうか・・・
しかし、相手選手の痛がり方は顔面ではありません。
主審は角度的に視覚になっていたし、少し距離があるため判断できません。
副審は旗を上げています。ファウルという事象は副審が判定した可能性が高いです。
しかし、距離的にも近く肘うちが顔面に入ってない事は目視で確認できたはず・・・・・
反スポーツ行為でのレッドカードにしては、審判と副審が話し合うシーンも無かった事から
該当する可能性は・・・20%くらい?←”ようせい”の印象

③DOGSO(ドグソ)
ドグソに該当するとジャッジされた可能性が濃厚です。
①②を検証した結果、一発レッド判定は厳しすぎる。
ドグソは決定機阻止としてルール上、一発レッドが提示されます。
結果としては、一番合点が行きます。

【ドグソを検証】
ドグソの要件は以下の通りです。
1.反則とゴールの距離
2.プレーの方向
3.守備側競技者の位置と数
4.ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性

1~4すべてに該当した場合にレッドカードになります。
一つずつ検証
1.反則とゴールの距離
ファウルとされた地点はセンターサークル付近。
若干遠いように感じます。
そして、距離的に考えれば角田選手は転倒する可能性は低くカバーできた可能性があります。
しかし、角田選手の後ろには高丘選手のみのため、決定機とも言えなくないという印象
2.プレーの方向
方向的にはゴール一直線です。
プレーの方向は該当する。
3.守備側競技者の位置と数
位置に関しては角田選手の態勢はカバー可能でした。
数に関しては角田選手を除けばGKしかいない。

4.ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性
角田選手の態勢はカバーできた
しかし、相手選手はボールをコントロールできた印象です。

グソは該当するのか】
結果的にファールと断定されてしまうと、明確に4要件全てに該当したとも判断されかねないと思います。ただし、相手選手・角田選手ともに引っ張っているため、ファウルは厳しいかと思います。
この接触をファウルだと断定するならば、ドグソです。
”ようせい”はファウルだと思えないですが・・・・・
シドニーFCのアフタータックルがノーファウルだったりするので、この試合でのレフェリーの基準で言えば、なんでこのシーンだけと感じてしまいますね。

アジアの戦いって代表戦含めて、こういうの多い・・・・
”ようせい”はアジアが欧州・南米・アフリカを中心とした世界のトップに追いつくには、レフェリーのレベルアップも必要不可欠だと思います。
世界レベルの国際大会では、アジアの基準では通用しません(日韓ワールドカップを除く)。
そして、レフェリーが主役に踊り出る事は好ましい状況ではありません。
レフェリーが感情で平等にジャッジできないのは、非常に残念です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
結果的にはマリノスが3-0で完勝しました。
角田選手の退場についてはモヤモヤしましたが、10人でも追加点を奪った選手達は頼もしく、マリノスのスタイルに改めて誇りを感じました。
角田選手には高い授業料になりましたが、CBは経験して強くなります。
角田選手には頑張ってほしい。

この数時間後、1位だった全北現代がホアンアインに引き分けたため、マリノスが首位に立ちました。
予選は残り2試合。
マリノスならやってくれる
皆さんは角田選手のレッドカードどう思います?
またね(*゚▽゚)ノ

DAZN
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