皆さん、世界最高の戦いCLが終わりました
現状、サッカー界では世界でもっともハイレベルな大会です。
今回の対戦カードは、CL歴代最多優勝回数を記録するレアルマドリードとCL歴代優勝回数3位のリヴァプールが対戦しました。
戦前の予想は、個人的に閃きや即興性(マドリー)VS最先端戦術(リヴァプール)といった戦いになるなと思いました。
レアルマドリードは、選手の閃きや即興の分野では、世界NO.1です。
対するリヴァプールは、整備されたプレッシングを武器にした、世界でも最も完成度の高いチームです。
個人が織りなすハーモニーか精密機械のようなチームが勝つのか、こういった興味もあります。
スタメン
リヴァプールのスタメンは
リヴァプールのスタメンは、ファンダイクの相方を誰にするか?が一つの楽しみでした。
マティプかなと思っていましたが、コナテを起用しています
また、プレミアム最終節で負傷交代した、チアゴが無事に起用されています。
チアゴがいるのといないのでは、攻撃のクオリティが全然違ってきます。
レアルマドリードのスタメンは
ここは、RWを誰にするのか? アセンシオ・ロドリゴ・バルベルデの誰が起用されるかでアンチェロッティ監督の思惑が見えてくると思ってました。
また、アラバはリーグで欠場が続いていたので、この試合に照準を合わせて来たなと思います。
マドリーはCBに関してナチョがいるけれど、リヴァプールの強烈なスピード・テクニックを併せ持つアタッカー陣を抑えるためには、アラバの復帰が必要不可欠です。
戦前の予想
この試合は、戦前の予想としてリヴァプールの方がチームの完成度・ベンチの選手層において優勢かなと思いました。
リヴァプールは、プレスが整備されていてマドリーはかなり苦戦する。
マドリーが勝つとすれば、マドリディスモの発動。
最終的には勝利している、理不尽さの発動かなと思いました。
試合結果
試合は前半から戦前の予想通り、リヴァプール優位で試合が進みます。
マドリーはリヴァプールの精密機械のようなプレスに苦しみ、ほぼハーフコートで試合が展開されていきます。幾多の決定機がリヴァプールに訪れます。しかし、マドリーは世界最高GKであるクルトワが人間離れした反射神経でシュートを何本も止めます。特に、前半20分のマネのシュートを止めたシーンは圧巻でした。
シュート数で比較すると、リヴァプール10本で枠内シュートは5本・マドリー1本で枠内シュートは0。
リヴァプールは決めきれず、0-0で前半終了。
後半もリヴァプールが攻めに攻めます。それでも、立ちはだかるクルトワ。シュートストップだけでなくクロス対応も安定感抜群です。すると、後半59分にバルベルデがシュート性のクロスを送ると逆サイドから走り込んだ、ヴィニシウスが押し込みマドリーが先制します。
試合はリヴァプールがその後も攻勢に出ますが、最後までクルトワを崩せずに1-0で試合終了
レアルマドリードがCL歴代最多優勝回数を更に更新し、14度目の栄光を手にしました。
試合のポイント
レアルマドリードとリヴァプールは、それぞれ攻撃のキーマンに包囲網を引きます。
この辺のアンチェロッティ監督・クロップ監督の対策が面白かったので、少し考察します。
この試合の両者がどのようにキーマンを抑えようとしたのかを、見ていきます。
リヴァプール:ヴィニシウス包囲網
リヴァプールは、ヴィニシウスをどう止めるかというのが一つ大きな見どころでした。
マドリーの一番の脅威はカウンターです。
つまり、ヴィニシウスを抑えることが試合を勝利するためのキーポイントでした。
ヴィニシウスが一人で切り裂くシーンは今シーズン何度もありました。
CL準決勝のマンチェスターシティ戦もヴィニシウスが独走しゴールを決めています。
ポジション上、ヴィニシウスと対峙するのはアーノルドです。
アーノルドは正確な右足のフィードを武器とするSBです。
しかし、守備力とスピードには不安があります。
したがって、ヴィニシウスvsアーノルドの1対1の勝負が何度も起こることは、リヴァプールは避けたかった。
そこで、リヴァプールのクロップ監督が考えたのがCBの人選です。
マティプではなく、コナテを起用したのも、スピードやカバー範囲の広さでアーノルドをカバーすることを考えて起用しました。マドリーは、ヴィニシウスがカウンターの際に圧倒的なスピードがあるので他の選手は付いていけません。つまり、フォローが薄くなる。よって、ヴィニシウスさえ抑えれば、カウンターの脅威も少なくなります。
ヴィニシウスがサイドで抜け出したシーンは、アーノルドが1対1にならないようにコナテも対応していました。
先制点をヴィニシウスがマークするも、他のシーンで決定的なチャンスを与えていないので、ヴィニシウス包囲網は機能していました。マドリーのシュート数を試合を通して3本に抑えました。
レアルマドリード:ルイスディアス・ロバートソンのコンビを封鎖
マドリーはRWをどうするか。
ここの選手起用でアンチェロッティ監督の思惑が見えると上述しました。
結果、スタメンはバルベルデです。
バルベルデは本職は中盤のセンターです。
身体も強く・スタミナもあり・推進力が高く・スピードは1級品の穴のない選手です。
恐らく、アンチェロッティ監督はルイスディアスを抑えたかったのかなと思います。
ルイスディアスはクリエイティブな選手です。
攻撃の選択肢の多さや判断ミスを起こさない選手です。
この試合のリヴァプールのキーマンです。
逆サイドには、サラーがいますが彼は不調です。更に、サラーサイドはメンディという強烈な身体能力を誇るサイドバックが対応します。さらに、サラーの後ろにはアーノルドがいますがアンチェロッティ監督はそこまで悩まなかったと思われます。
ルイスディアスの後ろにはロバートソンがいます。ロバートソンはスピード・クロスの正確性を持っているため、ルイスディアスとロバートソンは絶対に抑えたいポイントです。
マドリーはカルバハルという世界有数のSBが対峙しますが、負傷も多いため負担をかけすぎると危険でした。かといって、カルバハルのカバーをCBやカゼミーロに回してしまうと、中央にはマネがいて、サラーも侵入してくるのでスペースを与えたくない。ゆえに、RWにバルベルデを置きカバーさせました。守備ではディアスが仕掛ければ、カルバハル+バルベルデでカバーする。攻撃はバルベルデが驚異的な推進力とスピードでカウンターを仕掛けてロバートソンを積極的に前に出てこれないようにする。
アンチェロッティ監督はこのように考えて、バルベルデをRWで起用したと考えられます。
結果、ルイスディアスとロバートソンの個人には、仕事をさせませんでした。
結果的に無失点で乗り切れましたので、結果オーライですw
しかし、試合全体の内容はリヴァプールが圧倒していました。
それくらいリヴァプールは素晴らしかった
さいごに:王者レアルマドリードを振り返る
単純に面白かったです。戦前の予想通りの展開でしたが、最後の結果だけは予想に反しました。
試合を通じて最終的なスタッツは以下の通り。
各項目 | リヴァプール | レアルマドリード |
---|---|---|
ボール支配率 | 50% | 50% |
シュート数 | 23 | 3 |
枠内シュート数 | 9 | 1 |
キーパーセーブ数 | 0 | 9 |
スタッツを見ると、10回やったら9回はリヴァプールが勝っていたそんなゲーム。
その1回を手繰り寄せ、勝利してしまうレアルマドリード。
まさにマドリディスモです。最近は資金力が豊富なプレミアムリーグが最強だと世間の風潮でしたが、やはり欧州の王者はレアルマドリードなんだと思い知らされた。
不思議とマドリーの選手は攻められまくっているが、焦っている様子がなかったので、何となくマドリーが勝つのではないかと前半終了時に感じていました。
これが、勝者のメンタリティなんですかね・・・リヴァプールのプレスを回避するマドリーの選手達の動きやスキルは、まさに即興性と強烈な個性がなせる業でした。
普通なら、リヴァプールがボールを奪取している場面が数多かった。
モドリッチのアウトサイドのパスや絶対にミスをしないクロース。そして、カゼミーロの予測にサイボーグのようなバルベルデ。人間離れしたGKクルトワなど、個の力で局面を乗りきるマドリーは戦術が急速に進化しているサッカー界とは逆行したようなチームだったけど、改めて個の閃きやスキルがサッカーの面白さだと気づかされました。
実はアンチェロッティ監督は、指導者キャリアをスタートさせた時は今のマドリーとは別のスタイルのチーム作りをしていたんですよね。
彼はパルマの監督時代に、ファンタジスタの代名詞であるRバッジョとの契約を寸前で破棄しているんです。そう、自身のチームにファンタジスタの席はないとして、補強を見送っています。
そんなアンチェロッティ監督は、後にユヴェントスで指揮する際にジダンと出会いファンタジスタを重宝し、ミラン時代にピルロを見出し、カカを育てています。
ファンタジスタは、閃きや即興性が売りの選手です。
指導者キャリア開始当初、反ファンタジスタだったアンチェロッティ監督が、戦術優先のこの時代に閃きや即興性が代名詞的なチームであるレアルマドリードを指揮して、チャンピオンズリーグで優勝する。
なんか物語性を感じますね。
PSG・チェルシー・シティ戦は神ががった奇跡の連続でした。
今シーズンは、レアルマドリードが優勝する運命だったのかなとすら思ってしまうような、勝ち進み方でしたね。
予選でインテル・PSG・チェルシー・シティ・リヴァプールと倒してきた相手をみても王者にふさわしかった。
このチャンピオンズリーグ決勝で、欧州サッカーは今シーズン終了です。
締めくくりには、最高のエンターテインメントでした。
Hala Madrid
またね(*゚▽゚)ノ